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「よ、椎名」

「てかどこにいたんだよー?」


屋上へ行くと、既に食べ始めている平山と汐崎が私に声をかけた。


「旧校舎。寝てたら、いつの間にか昼休みになってただけ」

「寝てたぁ?」


座りながらそう言う私に、呆れる平山。その中、汐崎だけ真面目な顔をして口を開いた。


「本当に?」

その時、ふと前言っていた汐崎の言葉を思い出した。はっきり言え、とか何とか。

まぁ、この二人だから話してもいいか。けど、原因が平山のことだから、急に平山が責任感じたりしたら面倒だな。


けど、一応言うべきか。



「私が言った事は本当だけど。クラスの女子に旧校舎に連れてかれて、何か殴られたらいつの間にか昼休みになってた」


「……え?」


私の言葉に、平山が驚いたように固まる。汐崎は何となく予想していたみたいで、神妙な顔つき。


「え、待てよ!!A、大丈夫なの!?つか誰だよそれ!」

平山がすごい勢いで近づいてきて、私の肩をガクガク揺らす。

頭まだ痛いんだから、揺らさないでほしい……。


「大丈夫に決まってるじゃん。今ここにいるんだし」

平山の手を振り払いながら言う。

「誰にやられた?」

「知らない。クラスの人の名前なんて、覚えてないから」

「お前、バカか!」

「あんたには言われたくない」


言い合っていると、汐崎が口をはさんだ。

「椎名は、どうしたい?」

「別に、何もしなくていい。私は無事だったんだから。今回の事で、油断は禁物だって分かったし」


私が淡々と言いながらお弁当を食べていると、平山がため息を吐いた。


「Aがいつも通り過ぎて、大ごとなのか分からなくなってきた……」

「大ごとじゃないよ。こんなの、よくあるし」

「あったのか!?」

「高校では初めて。中学の時よくあったけど、途中からイラついてきたから返り討ちにしてやったの。そしたら無くなったから、今回の事も次が合ったら返り討ちにするつもり」


「お前怖いな!!」



きっと二人は気を使ってくれてるんだろうな。暗い雰囲気にしないで、わざと冗談っぽく言ってるんだろうな。

気を使わせてるのは私だけど、本当に大丈夫だから。何も、気にしないでほしい。


それより、


「美緒は?」

「ああ、それオレも気になってたんだけど。今日来ないなーって」

「池崎なら成瀬んとこいた気がする」

「私もそれ見た。汐崎たちも何も聞いてないんだ」


そんなに大きな事じゃないけど、何故か胸騒ぎがする。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 学園   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めぐむ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月27日 14時

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