コイイロパレット。【オリジナル】 (ページ16)

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「ってことで、怜が復帰したら、これから3人で昼食おうぜ」

ニッと笑って私を見る汐崎。

驚いて、声がすぐ出なかった。
何で私を？っていう疑問と、こんなの付き合う必要ないっていう冷めた思いと、ほんとは誰かと一緒に昼休み過ごしたいっていう嬉しい思いが同時に湧き出た。

やっとのことで言えたのがこの一言。

「いいよ」

「お、良かった。怜のやつ、喜ぶよ」

「でも、何で私なの」

「怜が椎名を気に入ってるってのと、オレが今日椎名と話してみて、仲良くなりたいって思っただけ」

「……物好きなんだね、平山と汐崎は」

「まぁ、それより椎名が気にしてるのはあれでしょ。クラスの女子に目つけられること」

汐崎がサラっと確信を突く。

「そういうの、怜にハッキリ言えよ。アイツも、言えば分かってくれるよ」

「……分かった」

汐崎に言われると、何故か自然とYESの答えを出してしまう。不思議だ。

「まぁ、まずは連絡先交換しよう」

「え、何で？」

「友達の第一歩として、的な」

そのまま流されるままラインのIDを交換して、「友だち」のところに、汐崎直人という新しいアカウントが追加された。

まぁ、これはこれでいっか。

「今日怜ん家に行ったら、怜とも交換な」

「……うん」

「じゃ、時間ないから弁当早く食べるぞ」

汐崎は良い人だ。自然と誘ってくれて、普通に喋りかけてくれる。性別がどうとか気にしてない。

思えば、平山もそういう人だ。

私が冷たい壁を作っていたから、気付けなかったのかもしれない。

「あの、さ」

「ん？」

「……誘ってくれて、ありがと」

汐崎は驚いて目を丸くしたけど、すぐ笑い返してくれた。