コイイロパレット。【オリジナル】 (ページ11)

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次の日。

時間通りに起きられた美緒と二人で登校。

「ねぇ。昨日、男バスの見学に行ったでしょ？」

「うん」

「それでね、部長さんに聞いたらマネージャー募集中なんだって～」

「へぇ、それは良かったね。けど、マネージャーとか美緒できるの？」

「頑張る！まぁ先生目的だけど、部員の人に迷惑かけらんないしね！」

美緒の目はいつになくキラキラしていた。へぇ、美緒が男バスのマネージャーか。

『オレは中学の頃バスケ部だったから、そのまま続けるつもりー』

アイツが、男バスだとか言ってたな。

「Aは？昨日、剣道部と弓道部、見学行ってきたでしょ？」

「うん。今のところだけど、弓道部に入るつもり」

「昨日体験させてもらったけど、A、上手って言われてたよね！袴も似合ってたもん！」

「それに剣道部は、勧誘がうざかったし、あんなうるさい部員に囲まれたくないから」

「そう？賑やかで楽しそうだったけど？」

「……私にとって、あれはうるさいの」

話していたらあっという間に電車は、高校の最寄り駅へ到着。

美緒と一緒に降りると、偶然、顔見知りが。

「あ」

「あー、えっと、昨日はごめん」

私に謝って来たのは、昨日の朝会った、平山の友達さんだった。

この人がいるってことは、平山も……って思ったけど、いるのはこの人一人だった。

「何？Aの知り合いー？」

「別に、謝ることないと思うけど」

美緒の問いを無視して、その人に言う。

「怜がうるさかっただろ？」

「まぁ……ていうか、その本人は？」

「あー。何か知らないけど、学校休むってさ」

「……ふーん。じゃあ、また」

私はそう言って、その人の前から去って行く。

美緒は慌てて駆け寄ってきて、誰あの人！と問い詰めてきた。

「平山の、友達。昨日の朝、偶然会ったの」

「すごくカッコいい！名前は？」

「名前は知らないけど。てか、あんた、先生だけじゃなく他の人まで」

「もちろん、1番は先生だよ！けど、他にカッコいい人がいたらチェックしたいもん！」

「……もう、美緒のそういう感じ、ついてけない」

正門を通って昇降口へと向かう。

「あ、A！先生がいるよ、成瀬先生！」

美緒が指さした方には、入学式の日同様、女の子に囲まれた先生がいた。

「そう。で、何？美緒もあれに混ざりたいの？」

「違うよぉ。上級生ばっかだし、入れない！」

確かに。と思ってそっちに目をやると、中心にいた先生と目が合った。