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ふぅ…と溜め息をついた瞬間。
「そこの人!!避けて!!」
『へっ?』
その瞬間には私の横に置いてあったペットボトルが吹っ飛んでいた。というかキャップ開けっ放しだったじゃん。ボトルは上手いこと私と真逆の方向に飛んでくれたので濡れなかった。助かった…。
って、一体何が起きたんだ??
「大丈夫!?怪我ない!?」
『あ、大丈夫で、す…。』
目の前にはなんと、なんと!金髪の彼もといコネシマ君の顔が。なんて綺麗な顔立ちなんだろうか…。あまりの綺麗さに一瞬息が詰まった。すっごい…。
私が何度眺めたか分からない綺麗な金髪と対比した様な爽やかな空色の瞳。めっちゃ顔整ってる…。
いかん、語彙力がドロドロに溶けてる。
「あ!!!!!」
『えっ!?何っ!?』
「飲み物ほぼ全部零れてるやん!!」
『あ、ほんとだ…』
「ちょっとあんたここに居といてくれ!」
『え、ちょっ……行っちゃった…。』
嵐みたいだな、彼。
数分後、何かを持っているコネシマ君がこっちに近づいてくる。ペットボトル?
「これ、買ってきたから貰ってくれ!」
『えっ、いや、悪いから良いよ!』
「そんな事言われても買ってきてしもたし。それにお詫びやから、貰ってくれんと逆に困る!」
『…分かりました、ありがとうございます。』
「おう!」
と言って手渡されたのはこの時期限定で販売されているレモンサイダー。
「じゃ、俺練習戻るから。ほんまに悪かったな。」
『いいえ、こちらこそありがとうございました。』
コネシマ君は手を挙げて答えると練習に戻って行った。もしかしたら同い年じゃなくて先輩かもしれないな。とかいう全然関係ない事を考えないとふらっとぶっ倒れそうな気がする。顔が熱い。
あんな綺麗な笑顔生まれて初めて見たと思うほどにコネシマ君の笑顔は魅力的だった。あれが天に恵まれた顔面か…凄いなぁ………買ってきて貰っちゃったし、折角だから飲もうかな、これ。
ごくり。
とても爽やかな味だ。でも少し甘い。まるでさっきの状況みたいじゃないか、とそんな事を考えている私は恥ずかしくて痛い奴だけど、あながち間違ってないのがさらに恥ずかしい。
『一生分青春した気がする…あっ!顔を忘れないうちにスケッチに描き起こさないと、凄く勿体ない。早く描かなきゃ!』
そして私は教室に戻る、彼とのほんの少しの思い出を描き留める為に。
その後、家に帰った私は親の都合で来週には転校してしまう事を知るのだ。あの場所に夏を置き去りにしたまま。
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なっか(プロフ) - すいません、御指摘ありがとうございます。助かりました。 (2018年5月12日 7時) (レス) id: e19c01291e (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月11日 6時) (レス) id: 1d77437daa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっか | 作成日時:2018年5月10日 22時