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ハロウィン【竈門炭治郎】 ページ36











「なあA、甘いもの好きだったよな?」


「?うん、そだね」









全てはその一言から始まった。
彼の名は竈門炭治郎。


……私は彼が、少し苦手だ。








「よかった!それなら俺に、
トリックオアトリート、と言ってくれ!」


「強制なのね?」









ていうか何その呪文。
私が怪訝な顔をしていると、彼は笑顔で
「西洋の文化らしい!」と答えた。


まあ聞いたことはある、はろうぃんとかいう
ものだろう、多分。


竈門くんの手には、「甘味処」と書かれた包が
あったので、まあ多分そういうことだろう。



……正直断りたい。


…しかし彼は、前に私が食欲がなくて、ご飯を
残した時。



彼は「大丈夫なのか?」と本気で心配したような顔をしつつ、私の口にご無理やりご飯をねじ込んできたことがある。



私が涙目になって訴えても全く聞き入れなかった。



その時から、彼が苦手だ。
軽くトラウマ。



…私に、選択の余地はない。









「あ、でも美味しい」

「本当か!」






私が素直にお菓子を手に取り、感想を言うと、
彼はとても照れたようだった。


……まあ、こういうところは、本当に素直で、
可愛らしいと思う。


こういうところは。
こういうとこだけ。







「……なぁ、A」


「むぁに?」


「美味しかった、と言ったよな」







彼が突然、あまりに怪しく微笑むものだから、少しびっくりして、思わずその瞬間ゴクンッ、と
喉にお菓子を無理やり流し込んでしまった。


…それから少し間を空けて、私は返事をした。







「……うん、そだね」


「それならよかった!
なあA!言いたいことがあるんだ!!」






彼はニコニコと笑いながら、私の手を容赦なく握った。


少し血の気が引いている私の顔のことなど全く
気にせず、彼は満面の笑みでこう言った。









「トリックオアトリート、だ!」









先に彼のお菓子を食べてしまった私に、拒否権など存在しない。


お菓子を持っていなかった、私の運のツキだ。
……仕方ない、私は腹を括った。



















「竈門くん!?君アレなの!?馬鹿なの!?
ウマシカなの!?マジで言ってる!?
気は確か!?」


「Aの焦った姿が久々に見れて、
俺は嬉しいよ!ありがとうA!」


「頭おかしいこの子!!?」









尚、悪戯の内容はAにより黙秘権が
適用されたので、ご想像にお任せする。








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ぽいんせちあ(プロフ) - 何回でも読める! (2022年3月25日 14時) (レス) id: 341a75d524 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいんせちあ - やば…好きです (2022年3月25日 14時) (レス) id: 341a75d524 (このIDを非表示/違反報告)
通行人B - 今でもこの小説読んでるけど、これ読むと何時もなんて言うかな……何か、キュンってきます!! (2022年2月1日 23時) (レス) @page3 id: 9e6a0c7491 (このIDを非表示/違反報告)
ミル産業 - 最後の時透君はヤバい。何か...ずっきゅーん!!!...だよね??((圧 (2020年4月27日 22時) (レス) id: 66812cc6be (このIDを非表示/違反報告)
奈雪 - あ、此の作品がないと生きていけなくなりました。(訳:めちゃくちゃ大好きです) (2020年3月14日 0時) (レス) id: c1bb07e9f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゴリラ系美女 | 作成日時:2019年10月22日 21時

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