それを夢にはしたくない【REBORN】 (ページ12)

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貝は笑うページ12

｢…Xカノン！｣

形態変化を済ませた沢田。
炎を弾丸のように飛ばすその技を瞳の中に四を刻んだAはヒラヒラと交わしていく。
焦りや怒りを多く含んだ沢田の攻撃は正確ではなく、Aの顔には余裕すら浮かんでいる。

｢これなら、修羅道を使うまでもないわね…！｣

数字が九に変わると同時に沢田に向かって走り出したA。
沢田は怯むことなく炎の弾丸を撃ち続ける。

｢だからさ…｣

沢田の目前まで迫ったAは言葉をつむぎながら半身引き、交わそうとする沢田を諸共せず勢いをつけて正確に、確実に右膝を繰り出す。

｢そんなの当たらないってば！｣

クリーンヒット。
思い切り鳩尾に入ったAの膝。
沢田は咳き込みながらその場に崩れ落ちた。
かなりの威力があったはずだが、それでも吹き飛ばなかったのは沢田がそれだけ強いということだろう。
Aはへぇと感心したように声を漏らした。

｢…あとは3人にやらせても問題なさそうね。｣

後ろに控えさせていた黒マント3人にAは視線を送る。

｢…や、めろ…2人にそんなことさせるな……！！｣

膝を着いたまま、Aを見上げるように沢田は睨む。
Aは、笑っていた。

｢やめろ…やめてくれ……｣

ゆっくりと近づく黒マントの3人に沢田はうわ言のように繰り返す。
命乞いにも聞こえるその言葉が、大切な者のためのみに紡がれていることを感じ取ったAは微かに顔を歪めた。

｢おやおや、だらしないですね。ボンゴレⅩ世ともあろう者が。｣

絶望。
そんな状況の中現れたのは、重症を負っていたはずの六道だった。