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────数分前────
マンションに向かう際、坂田さんは私に警告をしていた。
「お前さ、今から別れ話するつもりか?」
「……はい。私たちはもう、これ以上修復出来ませんから」
「なーらちょっとやな予感がすんだよなあ。さっきの剣幕といい、お前の彼氏少しやべぇ匂いすんの」
坂田さんは鋭い人だから私よりもしんちゃんのことを分かっていそうだった。
私的にはそうかな、なんて思うけど何故だろう。
坂田さんに言われると絶対的な信頼性がある。
「やべぇ匂い、ですか?」
「あーゆー男に限って別れ話すると逆上すんだよ。現に今まで喧嘩した時どうだったよあいつ」
思い返すと目を背けていたしんちゃんの姿が露となる。
私たちの喧嘩はいつも10:0で私が悪い。
私がいつもしんちゃんに謝っていた。
また理不尽な言い訳を擦り付けられて、指摘するとしんちゃんは怒るの。
「……もし別れたくないって言われてしまったらどうなるんでしょう」
「無理そ?」
「…自分から別れを告げる日が来るなんて思ってもいなかったんです。しんちゃんから嫌われるのも捨てられるのも怖くて」
それでも別れなければならないと思った。
これ以上私はしんちゃんの傍にいてはいけない。
私のためにも、しんちゃんのためにも。
「お前鈍感そうだもんなあ。それに勉強しかろくにしてこなかったタイプだろ?そんじゃあ恋愛に疎くなるわけだ」
科学者への道のりは長いものだった。
だからこそ勉強に明け暮れていて、しんちゃんが初めての彼氏だった。
だからなのかな。
私は愛し方も愛され方も下手くそなの。
「言っとくけどお前自分に自信無さすぎなんだっての。科学者だろ?先生だろ?もっと自信持てって。今の彼氏以上にお前に惚れてくれる男なんてそこらじゅうにいるわ。あ、金目的もありえるけど」
「励ますか突き落とすかどっちかにしてくださいよ…」
「ま、とにかくこの別れで人生終わるわけじゃねえんだからもっと前向きに考えろよ。それと、先に真選組に連絡入れておけ」
「連絡?」
「"現行犯"になるだろうから。確実に」
何を言っているのか理解できなかった。
でもあまりにも坂田さんが真剣な顔をするから言われた通りにする。
そして有難いことに私ではなく坂田さんが話をしてくれた。
この電話が後々私を救ってくれることになるなんてこの時は思ってもいなかった。
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凛 - とても良かったです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月17日 17時) (レス) @page37 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 瑠々亜さん» 返信、ありがとうございます!とういうことでしたか…なるほど。頑張ってください!応援してます! (2019年9月2日 20時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - のん@天使から墮天使さん» コメントありがとうございます。ちゃん呼びはただの愛称なので深い意味はないです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 亜水さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 最初自意識過剰かなと思ってしまったけど…読んでみて良い話!夢主はなんで恋人のことを[〜ちゃん]と呼んでたのか知りたい…。夢主、辛いだろうなぁ…僕は恋人なんぞ居ないから分からんが…別れてしまえ((酷い 銀さんとくっ付けぇぇぇ(( 更新頑張ってください! (2019年8月25日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年8月17日 21時