迷い犬の百鬼夜行【文豪ストレイドッグス】【文スト】 (ページ40)

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「そういえば、石燕さんは何故その格好なのに黒のハイネックのインナーは着たままなんですか？」

石燕と鏡花が着せ替え人形となっている時、ふと思ったことを聞く敦。

「敦君…」

「えっ？」

そんな敦を困ったように見る石燕。その様子を見て何か気に障ったかと思う敦。

「私は嫁入り前ですよ？」

「…うん？」

石燕の回答が思っていたのと違って何と返せば良いのか判らない敦。

「石燕は堅いねぇ。」

こんな綺麗なのに。と、言う与謝野。そんな与謝野から、逃げる石燕。

「着替えて来ますねー。」

「えぇー？勿体無いですわ！お姉様！」

石燕にブーブー、文句を言うナオミ。そんなナオミを無視して更衣室へ消えていく石燕。

「(＂何で＂か…)」

敦達には嫁入り前だからと言ったが、実際は違った。首元の服を捲る。

そこに見えたのは…

大きな刀痕

「(こんな傷見せられないですね…)」

自傷気味に笑う石燕。思い出すのは嫌な記憶だった。

『異能力者なんて！』

『異能力があるからあの戦争で…！』

『…おかあさま？おとおさま？』

両親は身体能力が生まれ付き高かった為戦争に行っていた。戦争から帰還した両親は、精神を病めていた。

_____ある日を境に仲の良かった鳥山家は崩れていった。

『『異能力者だ！』』

『がぁさま"、お"どぉざま…や"っめで…』

『石燕！

っ何をやっとる！このっ馬鹿息子達が…‼』

それは、石燕の両親が自分達の娘である石燕の頸を刎ねようとした日だった。