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面倒だが、いつも国木田にお世話になっていることの方が多い。
…しかし、石燕にはもっと大事な事があった。
「う〜ん…。
申し訳ないのですが、私は、お土産を乱歩さんに渡さなければいけません。」
だから、難しいでしょうね。と、付け加えて云う石燕。
そう。乱歩と言われているその人は、機嫌を損ねると大変面倒臭くなってしまうのだ。
国木田は、それをよく理解していた。
だからだろうか、石燕の電話先からは、唸っている様な声が聞こえてくる。
そんな時、ふと、石燕は気が付いた。目の前に、少年が迫って来ようとしている事に。
_____どうやら、私を襲うようだ。
少年がこれからしようとしている事に気がついた石燕は…
『__おい、聞いているか?
今、鶴見川の下流辺りだ_______』
「国木田さん、お電話切りますね。
どうやら、お客さんのようです。」
『アッ、オ、オイ‼‼』
容赦なく、電話を切った。
_____あぁ、きっと、後で怒られてしまうんでしょうね。
そのような事を思っていれば、いつのまにか少年が目の前で石燕に対して叫んでいた。
急な事だった為、少し驚く石燕。
そんな、石燕を無視して襲ってくる少年。
仕方がない。そう思う石燕。
「(一歩一拍子)」
迫って来る少年を、綺麗な夕焼け空に向かって…
_______投げた
少年は、空を舞っていた。
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作者名:楓 | 作成日時:2021年2月28日 20時