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「貴方達探偵社の_____!
何故ここに」
太宰と石燕が来た事に驚きが隠せない樋口。
「美人さんの行動が気になっちゃう質でね。」
外套の衣嚢から、何かを取り出す太宰。
「こっそり聞かせて貰ってた。」
「な……真逆
_______盗聴器!?」
太宰が衣嚢から取り出したのは盗聴する為の道具。それを見て瞬時に理解する樋口。
そう。太宰は、最初から樋口の計画を見抜いていたのだ。
「ほらほら。起きなさい敦君。」
石燕ちゃんがいるとはいえ、三人も負ぶって帰るの厭だよ私。と、樋口と芥川に目も暮れず言う太宰。
そんな太宰に、樋口は生きて帰せない。と言った。
「くく……くくく。」
樋口がそう言うと、芥川から笑い声が聞こえて来る。
「やめろ。樋口。お前では勝てぬ。」
「芥川先輩!でも!」
芥川の意見に、異論を言おうとする樋口。だが、それを気にせず続ける芥川。
「太宰さん、今回は退きましょう_____
しかし、人虎の首は必ず僕らが頂く。」
「なんで?」
何となく予想がつくが、確認のために聞く太宰。話に耳を澄ませる石燕。
「簡単な事。その人虎には_____
闇市で七十億の懸賞金が懸かっている。」
裏社会を牛耳って余る額だ。と、言う芥川。
「へぇ!それは景気の良い話だね。
ねぇ、石燕ちゃん!」
「えぇ。そうですね。」
太宰が急に振ってきたが、けろっと答える石燕。
そんな二人に続ける芥川。
内容は、また探偵社に来た時に素直に敦を渡せと言う事だった。
「渡さぬなら_____」
「探偵社と戦争ですか?
若いって素晴らしいですねぇ、治君!」
ねぇ、ホントに。とふざけたように言う太宰。が、次の瞬間には顔付きが変わった。
「やってみ給えよ。やれるもんなら」
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作者名:楓 | 作成日時:2021年2月28日 20時