sing 3 ページ11
「お前がやりたかったのはこうだろ」
って言って俺が弾けば
「え!!すごい!なんで!?」
「だって、こう来たら…こうだろ」
するとブンブンと頭を上下に降り出した。
うわ、面白っ
「このコード、今のお前の気分そのままだろ」
「すごい、なんで分かるの…やっぱりシュガさんはすごいです。超リスペクト」
「…」
…こいつ、狙って言ってんのか
「お前さ、なんで作曲したいわけ?
前も言ったけど、作曲なんて出来なくても練習生なんだから歌とかダンスとか頑張ればいいじゃん」
そう言うと、少しだけ目を伏せて
「…なんというか、練習生だから作曲をするんじゃなくて、作曲がしたいから練習生になったんです。」
「は?」
「スカウトされた時、こんな曲を作りたいなーって思って」
「どんな曲だよ」
そう聞くとうーんとそいつは唸って
「えっとですね、ちょっとギターかしてください」
かしてって…これお前のじゃん
なんて言うまもなくギターを手に取ると、
こつ、こつ、と指で叩いた。
「……すりー、つー、わん」
「“ ぜろ ”」
あいつが息を吸いこんだ瞬間、ぴりっと震えた空気。
気づけばのめり込んでいた。
は、
なんだこれ。
初めての衝撃に、耳を傾けるので精一杯で
声が特徴的とか
歌が上手いとかそういうのじゃない。
「“みんな僕らを無視した”」
「“透明人間じゃないのに”」
全体的にアップテンポな曲調で
疾走感のあるコード
…この曲、知ってる
『いやさ、Aちゃんをうちの社長がスカウトした時、ユンギがまだ温めてた曲を聞かせたんだよ』
俺のUSBに入ってる、題名もない曲
なんだ
なんだ、これ
俺が作った時は…こんな曲だったか?
てか、こいつは聞いただけで覚えたのか?
ただあの時は気分に乗せて無理やり書いたはず
“変わってる僕らを”
“愛してくれ”
こんなに心に響く歌詞だったのか…?
たった数十秒の演奏ともいえないソレが、何時間ものオーケストラを聞かされたような気分だった。
呆然としてなにも言葉が出ない俺に
「この曲が、忘れられなかったんです」
と当の本人は澄ました顔で言った。
「いや、え、俺のやつ…?」
あ、声出た。
「はい!これ聞いた時めちゃくちゃ感動しました!」
「…っ、」
心拍数がやばい
ダンスした後と同じくらい早い
なんだ
なんだ、これ
すごく、泣きそうだ
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どーん(プロフ) - ももじゅんさん» ご指摘ありがとうございます! (2018年3月10日 13時) (レス) id: 8428f10979 (このIDを非表示/違反報告)
ももじゅん(プロフ) - 過保護のページで「避難したい」は「批難したい」ではないでしょうか。修正お願いします! (2018年3月10日 12時) (レス) id: eef8b7311d (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - なるほど、わかりました!! (2018年3月5日 0時) (レス) id: dd4f4b9a77 (このIDを非表示/違反報告)
どーん(プロフ) - ほのさん» ありがとうございます!私もそれ思っていたのですが、変える機会をいつにしようか迷ってるうちにズルズルと…となってしまってるのでこんなことになりました(´;ω;`)ご指摘ありがとうございます! (2018年3月4日 11時) (レス) id: 8428f10979 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - いつも読ませていただいてます!!ドキドキしっぱなです笑笑これからも頑張ってください!少し気になったのですが、ナムさんがラプモンになっていますが、RMに変わったので、、、と思いました!これからも楽しみにしてます!! (2018年3月4日 1時) (レス) id: dd4f4b9a77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どーん | 作成日時:2018年1月14日 11時