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「リーダーだった男はな、毎日朝から晩まで、最前線のゲート広場で泣きながら仇討ちをしてくれる奴を捜してたよ」
『お願いします、どうか、どうかコレで、あいつらを────』
嗚咽混じりの懇願。
行き交う人々に伸ばしても、誰からもかえりみられず虚しく宙を掻く手。
…………ひどく痛々しい姿だった。
けれど。
彼が願ったのは、“復讐”ではなかった。
「でもな。その人は、依頼を引き受けた俺に向かって、あんたらを殺してくれとは言わなかったよ。“黒鉄宮の牢獄に入れてくれ”と、そう言ったんだ。────あんたに、奴の気持ちがわかるか！？」
(…………………………わからないよ)
どこまでも綺麗なキリトの怒りに、私は内心で自嘲する。
本当は、わからないのだ。
復讐を願わなかったあの人の気持ちなんて。
…………だって、もし、
私に与えられたのが“こんな力”じゃなかったら。
この手で、直接、彼を殺せるようなモノならば。
────きっと、私は躊躇わなかった。
(…………私たちを裏切ったあの人に、この手で復讐しに行った)
それが人道的に赦されないことだとわかっていても。
…………私たちを苦しめて、兄さんの最期すら知らないアイツを、この手で───────
「解んないわよ」
ロザリアも面倒そうに答える。
図らずも犯罪者と同じ結論なことに、余計に苦く嗤った。自分を。
「何よ、マジになっちゃって、馬鹿みたい。ここで人を殺したって、ホントにその人が死ぬ証拠ないし？ そんなんで現実に戻ったとき罪になるわけないわよ。だいたい戻れるかどうかもわかんないのにさ、正義とか法律とか、笑っちゃうわよね。アタシそういう奴が一番嫌い。この世界に妙な理屈持ち込む奴がね……！」
ロザリアの目が凶暴そうな光を帯びる。
…………犯罪者(オレンジ)特有の、どこかが壊れた獰猛な狂喜。
「で、あんた、その死に損ないの言うこと真に受けて、アタシらを捜してたわけだ。暇な人だねー。ま、あんたの撒いた餌にまんまと釣られちゃったのは認めるけど……でもさぁ、たった三人でどうにかなるとでも思ってんのォ…………？」
赤い唇が残虐な笑みを刻む。
掲げられた右手の指先が、素早く二度宙を扇いだ。
────合図。途端、向こう岸へ伸びる道の両脇の木立が激しく揺れて次々と人影を吐き出す。
「な、こんなに……！？ 人数が多すぎます、脱出しないと…………！！！」
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年12月16日 20時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 15-4〜16-7までの流れが、主人公の葛藤と矛盾が鮮明に描かれていて心に刺さりました。この作品面白いので更新頑張ってください。応援させていただきます。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 10e431e9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - シリアス大好きです。この二人がこのあとどうなるのか気になります。更新お忙しいと思いますが、頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年11月6日 21時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - この作品、私のどストライクな作品です！！もう更新してくれないのでしょうか？続き楽しみに待ってます！ (2018年10月28日 14時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
Kizuna(プロフ) - アリスさん、コメントありがとうございます！！！ヘ(≧▽≦ヘ)♪ そう言って頂けるととても嬉しいです…！前回更新からだいぶ長いこと時間があいてしまいましたが、またちょこちょこ書いていきますので、よろしくお願いします(*≧∀≦*) (2018年1月19日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年4月9日 16時
