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……翌朝。
目を覚ましたシリカにひたすら謝られつつ朝食を済ませ、転移門に向かった私たちは。
四十七層の街の名前を知らないシリカのために手を繋いでボイスコマンドを叫ぶ。
「──転移！ フローリア！！！」
一瞬の転送感覚に続きエフェクト光が薄れると、もうそこは無数の花で溢れかえる円形広場だった。
「すごい……！」
「この層は通称《フラワーガーデン》って呼ばれてて、街だけじゃなくてフロア全体が花だらけなんだ」
感嘆の声を上げるシリカに、キリトが説明する。やがて駆け出した彼女は、あっちの花壇、こっちの花壇と忙しく花を眺め歩いた。
時にはしゃがみこみ、花の香りを胸いっぱいに吸い込んでみたりもしている。
(…………ふふ。目が輝いてる)
そんな無邪気な様子に和みつつ、さっと周囲に視線を走らせる。
見えるのは、いずれも男女のペア。ここはカップルのデートスポットとしても有名なのだ。
……念のためアルゴからもらった羊皮紙に載っていた人相描きと照合していくが、タイタンズハンドの奴らは見当たらない。
(……やっぱり、仕掛けてくるなら花をとった後だろうな)
あれはまだ情報がそんなに出回っていない。
つまり、金になる。
ただし“使い魔を亡くしたビーストテイマー”がいないと花が咲かないから、シリカが《思い出の丘》に辿り着くまでは何もしてこないだろう。
…………懸念事項があるとすれば──────
「ぎゃ、ぎゃああああ！！？ なにこれーーーー！！？ き、気持ちワルーーーーーー！！！！！！」
……やっぱり、生理的に受けつけなかったか。
シリカのものすごい悲鳴を聞きながら乾いた笑いを浮かべる。実際、私も初めて見た時は鳥肌がたった。
四十七層のフィールドを南に歩き出して数分後。
さっそくエンカウントしたモンスターは、一言で表現するなら《歩く花》。
……ただし、全然可愛らしいものではない。
濃い緑色の茎は人間の腕くらいあるし、根元で無数に枝分かれしてしっかりと地面を踏みしめ、
胴体のてっぺんには牙を生やした口つきの黄色い巨大花が乗っている。
…………率直に言ってとんでもなく気持ち悪い外見だ。
「や、やあああ！！！ 来ないでーーーー！！！」
「だ、大丈夫だって。そいつは凄く弱いから。花のすぐ下の、ちょっと白っぽくなってるところを狙えば簡単に斃せる」
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年12月16日 20時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 15-4〜16-7までの流れが、主人公の葛藤と矛盾が鮮明に描かれていて心に刺さりました。この作品面白いので更新頑張ってください。応援させていただきます。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 10e431e9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - シリアス大好きです。この二人がこのあとどうなるのか気になります。更新お忙しいと思いますが、頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年11月6日 21時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - この作品、私のどストライクな作品です！！もう更新してくれないのでしょうか？続き楽しみに待ってます！ (2018年10月28日 14時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
Kizuna(プロフ) - アリスさん、コメントありがとうございます！！！ヘ(≧▽≦ヘ)♪ そう言って頂けるととても嬉しいです…！前回更新からだいぶ長いこと時間があいてしまいましたが、またちょこちょこ書いていきますので、よろしくお願いします(*≧∀≦*) (2018年1月19日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年4月9日 16時
