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そこにコペルの姿はなく、
ただ、無数に傷つき新品だった頃の輝きを失ったスモールソードと円盾(バックラー)だけが落ちていた。

キリトはその剣を拾い上げ、周りで一番大きな樹の根元に突き立てる。
円盾もそっと立て掛けて、最後に何匹目からかドロップした《胚珠》をそこに置いた。

「お前のだ、コペル」

どんな感情でその言葉を言ったのか。
たぶんキリトにもわからなかったに違いない。
それくらい平坦な声だった。恨みも、哀しみも、何もない。

「村に戻るか」
「……うん」

今度は私がよろよろと立ち上がり、二人並んでホルンカの村へ。
追いついてきたらしいβテスター達から隠れて裏道を通り、クエストを受注した民家に入った。

…………そして。

秘薬を飲んだ少女に舌足らずにお礼を言われて。
嗚咽を噛み殺すキリトを一歩下がった位置から眺めながら。

私はやっとぼんやり痺れたようだった思考に言葉を浮かべた。


(……強く、ならなきゃ……)

“お願いだ、A。あの世界を壊してくれ……”



託された願いがある。
私と、兄さんと、あの人と。
三人で創った“夢”を壊さなきゃ。

あの人が歪めてしまったこの世界から、
囚われた人々を解放しなければ。

(……だけど、肝心なところがわかってなかった)

そのために授けられた“力”はひとつだけ。
それが使えるのはやがて来るだろう最終決戦の場のみ。
と、わかっていたのに。

根拠もなく私は“今”のままで──現実での古武道を応用した戦い方のままで、それまで生き延びられると自惚れていたんだ。

(だって、“現実の私はもう何年も修行してきた”んだから。この世界の戦闘システムは、“私の動きをデータ化して仮想体(アバター)に落とし込むことでできた”んだから……)

オリジナルは私なんだから負けるはずがないと思っていた。馬鹿だ。
ここは《VR(完全ダイブ型)MMO》。
自分の身体に似せてはいても生身ではない仮想体を操り、レベルに依って変化するステータスを元にして戦う世界なのだ。

(なら私もこの世界で“強く”ならなきゃ)

ここでの戦い方を極めなくては。
そのためには────

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Kizuna(プロフ) - わあああすみません!!!ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年3月3日 20時

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