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「だから、きっちり戦術(タク)を練って、回復薬(ポット)いっぱい持って挑めば、死人なしで斃すのも不可能じゃない。……や、悪い、違うな。絶対に死人ゼロにする。それは、オレが騎士の誇りに賭けて約束する!!」

よっ、ナイト様!!! というかけ声があちこちから飛んだ。盛大な拍手も沸く。

正直、自分で騎士とか言っちゃうところや、
しかもそれが似合っていなくもない美形であるあたりが心底“うわぁ……”となるのだが、リーダーシップは認めざるを得ない。

やっぱり、彼が“そう”なのだろうか。

……いや。まだ決まってない。
結論を出すのは、この戦いが終わった後でいい。

(いまは私も、自分に出来ることを精一杯やらなくちゃ……)


「──それじゃ早速だけど、これから実際の攻略作戦会議を始めたいと思う! 何はともあれ、レイドの形を作らないと役割分担もできないからね。みんな、まずは仲間や近くにいる人と、パーティーを組んでみてくれ!」


……ピシリ、と隣でキリトが固まる気配がした。

ちらりと横目で窺えば、だらだらと冷や汗を流してそうな表情を浮かべている。そして、その隣で困惑している、フードを被った女性フェンサー。

(……うん。なんとなく、この後の展開が読める気がする)

しばらく二人を眺めていると、やはりというか何というか、誰にも声をかけられなかったキリトがすすすと彼女に近づき、パーティーに誘っていた。
その様子が、こう……完璧に体育の授業中に稀に見られる涙を誘う1場面そのものだったのは彼らの名誉のために言わないでおこうと思う。

……かくいう私もこういうチーム分けが苦手でよくアブレていたのは都合よく記憶の奥底に押し込んで、他のプレイヤーたちの編成を確認しようと辺りを見回していると────


ポン、とシステムの通知音が響いた。

目の前に見慣れたメッセージが浮かび上がっている。


《キリトからパーティーに誘われました。参加しますか?》


……ゆっくりと視線をキリトに移すと、まるで挑むような眼でこっちを見ていた。


(────ああ、懐かしいな)


βの頃は、それこそ毎日のように見たものだ。
ログインしたらまずお互いの姿を捜して、メッセージを飛ばして合流して。約束などなくても、ずっと一緒だった。


…………でも。

ふわりと片手を上げて、目の前のメッセージ画面に触れる。
“今の私”の、返答を告げるために。

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Kizuna(プロフ) - わあああすみません!!!ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年3月3日 20時

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