【H×H】僕は飛べぬ鳥【ヒソカ】

Day5 ページ13

ゴン「Aさん、こんにちはー！」

キルア「…ちは。」



「あら、二人とも。相変わらず元気ね。」




二日ぶりに見た少年達の表情に、Aはにっこりと微笑みを向けた。偶に生意気に思うこともあるが、そんな所も含めて子供とは愛しいものである。



キルア「チョコロボくんある？」



「ふふふ、沢山あるよ。キルア君が買い占めた後に、段ボール一杯に入荷したんだから。」



いつもの様にチョコロボくんの勘定をしてやっていると、珍しくゴン君がレジに並んだ。キルア君もそれを不思議に思ったようで、「お前が此処で買い物するなんて珍しいな。」とオマケのキャンディーを舐めながら言った。



ゴン「これ、一度飲んでみたかったんだよね。」



キルア「…ラムネ？飲んだことねぇの？」



ゴン「うん。くじら島には無かったよ。」



キルア「へぇー…って、俺が知ってるやつとも違う。」




この店は、子供達の初めてが沢山詰まっている。初めてのそれに驚いたり、失敗したりしながら、彼らは日々成長していくのだ。

そんな姿は、私の駄菓子屋精神をここぞとばかりに擽る。

今日もまた例外ではなく、景気よく二人分のラムネを奢ってやったのだった。




ゴン「Aさん、いいの？」


「いいのよ。二人の笑顔でお代は十分。」


キルア「じゃあ、チョコロボくんもタダにしてよ。」


「それとこれとは話が別ですー。」


キルア「ちぇっ…。」




傾ける度にカランコロンと綺麗な音を立てる容器の中のビー玉。


夏の到来といったら、真っ先に思い浮かべるのはこの音だ。…駄菓子屋の性だろうか。

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