#127 ページ17
クラピカside
小鳥のさえずりと、カーテンから覗く微かな朝日に瞼を開く。
クラピカ「…ん！？」
鼻が当たってしまいそうな程の距離にあるAの顔に、驚いて思わず声を出してしまった。
そうか、あの後Aを一人にしておくのが何となく不安で、無理を言ってここに泊まらせてもらったんだった。
クラピカ(幸せそうな顔して寝てるな。)
彼女はその小さい背中にどれだけの不運を背負ってきたんだろうか。
彼女は私と同い年のはずなのに、時折妙に大人びた表情を見せることがあって、それが彼女の今までの苦労を匂わせるのだ。
クラピカ(私はAに何が出来るんだろう。…いつも助けてもらっていてばかりなんだ。)
Aは、私が感情的になるといつも横で窘めてくれる。
私が怪我をすると手当をしてくれる。
私が自信を失うと頭を撫でてくれる。
でも私はどうだろう。
私は何も出来ない。
ヒソカのように守り抜くことも、
ゴンのように勇気づけることも。
ただ、こうやってそばに居てやることしか出来ない。
クラピカ(そんな私でも、優しいお前は許してくれるんだろうな。)
私の視線に気付いたのか、彼女は目を覚まして、数分前の誰かのように、目の前に私の顔があることに驚いて、飛び起きた。
「うわっ、クラピカ なんで！？…って、あ、そっか。」
クラピカ「ふふ、おはようA。」
「おはよう。」
まだ寝ぼけているのか、彼女は気の抜けた表情でふにゃっと笑った。
穢れのない子供のような姿に釣られて私も笑った。
クラピカ(もう二度と辛い目には合わせない。たとえお前を苦しめた人間達が取り戻しに来たとしても。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かにかま(プロフ) - みなみさん» 初めまして、素敵なコメントをありがとうございます(^^) 最近はプライベートが色々と忙しいので更新頻度が低いのですが、お付き合い頂けたら嬉しいです。 (2019年11月16日 22時) (
レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - コメ失礼します…！とっても面白いです！！すごい好きです！これからも頑張ってください…！！！ (2019年11月16日 22時) (レス) id: 1440843f6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年10月6日 23時
