番外編#2 ヒソカの独り言(1) ページ33
ヒソカside
生活感のない部屋で、ブツブツと呟く少年。
彼こそが今の標的。
風を感じて窓辺から部屋の中へと乗り込むと、彼は一瞬のうちに僕の気配を感じ取って戦闘態勢に入った。
さっきのAと全く一緒の反応だ。
何だか森で特訓してから、君達似てきてない？
…なんて質問に彼が答えてくれる筈もないので、大人な僕は早速交渉にはいることにした。
連絡先を書いた紙と、ご丁寧に契約済みの携帯電話を投げると彼は怪訝な表情を浮かべる。
クラピカ「どういう風の吹き回しだ？」
ヒソカ「君と契約を結びに来たんだよ。」
クラピカ「契約…？」
益々曇っていく顔色に、笑ってしまいそうになる。
いかにも神経質な堅物って雰囲気してるのに、案外分かりやすいんだもんね。
年相応というかなんというか。
ヒソカ「野暮用があってね、暫くAの様子を見に来れなさそうなんだよ♠」
クラピカ「そう、か。」
納得いかないような様子に気付かないふりをして、話を進める。
契約は簡単だ。
Aと一緒に居れば、彼は大事なお仲間を守ることが出来て、僕から旅団の情報を得ることも出来る。
言ってしまえば僕には利点なんて殆どない契約だけど、僕は私欲の為にこの契約を結んだ訳では無いのでそんなことはどうでもよかった。
“契約”ではなくて“約束”を守るためには、これくらいの思い切りが必要だったからだ。
ヒソカ「ふふっ、それは頼もしいね。君はAの事が好きなのかい？」
からかい混じりにそう尋ねると、少年は真っ直ぐに見つめ返す。
クラピカ「当たり前だ、仲間なんだからな。」
ヒソカ「そう、仲間ねぇ…」
仲間って言葉はそんなに便利なもんじゃないと思うけど。
…君が、あの子を見つめる視線を説明するくらいにはね。
*
？『…いくらあの子が可愛いからって、あの子の選んだ人だったら黙って受け入れてあげてよね。くれぐれも余計なことしないで。』
*
お節介心が芽生えた所に、そんな言葉が聞こえて来て口を噤んだ。
ヒソカ(それにしても、Aまでああいうタイプが好みだとはね。)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かにかま(プロフ) - (名前)さきのさん» コメントありがとうございます。褒められると伸びるタイプなので、そう言って頂けて嬉しいです笑 今後ともお楽しみ頂けますように精進しますね。 (2019年10月1日 0時) (
レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)さきの(プロフ) - 毎日1話ずつ更新してくださってありがとうございます！1日の終わりにこの小説を楽しみにしています^ ^更新頑張ってください！！ (2019年9月30日 23時) (レス) id: 7fbb21366a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 林 香織?さん» 素敵なコメントをありがとうございます！ これから紐解いていくので、楽しんで頂けたらうれしいです(^^) (2019年9月24日 19時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - この小説めっちゃ好きです…ヒソカの大事な人の事も気になりますし、不器用な夢主、愛に気づかないクラピカ。めちゃくちゃ面白いです！更新ファイトです！ (2019年9月24日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 音かなでさん» わわっ！とても励みになるコメントをありがとうございます。これからも楽しんでもらえますように精進しますね。 (2019年9月11日 22時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年9月6日 22時
