#110 ページ30
クラピカside
扉の外に待つ誰かに、「どうぞ。」とぶっきらぼうに返す。
センリツ「貴方とお話したくて。」
クラピカ「話…？まぁ別に構わないが。
そこの椅子にでも掛けてくれ。」
初めて触れるティーポットを使ってお茶を出してやると、「ありがとう。」と彼女は微笑んだ。
センリツ「私は昔から音楽が好きでね、好奇心から手を伸ばした曲のせいで体を病んでしまったの。…だからその曲の楽譜を手に入れて、もう二度と私のような犠牲者を出さないためにハンターになったのよ。」
使命感か。
彼女の志した理由は、私に近い何かを感じた。
クラピカ「そうなのか。…でも、それをなぜ私に？」
「私が君を裏切らないとは限らないじゃないか。」と付け加えると、彼女は笑って返す。
センリツ「ふふふ、それは無いわ。だって、貴方の心音はとても優しいワルツを刻んでいるもの。不器用な正直者のリズムでね。」
クラピカ「聞こえるのか？」
センリツ「そうよ、驚いたかしら。」
クラピカ「驚くに決まっているさ。凄いな。」
センリツ「ありがとう。…でもね、Aの心音だけはどうしても聴こえないの。何故なのか貴方なら知っているかな、と思って聞きに来たのよ。」
Aの心音だけは聞こえない？
でも、最終試験の医務室で彼女を抱きしめた時には、嫌という程お互いの鼓動を感じたはずだ。
あの時のAの驚いた表情は、可愛＿＿＿＿＿＿＿…
…って、何を思い出してるんだか。
センリツ「…クラピカ？顔真っ赤だけど、大丈夫？」
クラピカ「えっ、あ…気にしないでくれ。」
センリツ(絶対何かあったわね。)
クラピカ「理由なら大体検討がつく。恐らく、君が念で心音を聞いているからだ。Aにはほぼ確実に念が及ばない。」
センリツ「なるほど…それは不思議ね。どうしてなのかしら。」
クラピカ「…それを知るために、私達は旅をしている。」
その答えに納得したように、彼女はティーカップを置き席を外した。
センリツ「お話ししてくれてありがとう。貴方達のことは決して口外しないわ。」
クラピカ「それは助かる。」
センリツ「いつか貴方達2人の心音が奏でるコンチェルトを聴きたいものだわ。」
クラピカ「きっといつか叶うさ。」
センリツ「ふふっ、やっぱり優しい音をしているわ。」
彼女を送り出して、吝かでもない心持ちをしてベットに寝転んだ。
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かにかま(プロフ) - (名前)さきのさん» コメントありがとうございます。褒められると伸びるタイプなので、そう言って頂けて嬉しいです笑 今後ともお楽しみ頂けますように精進しますね。 (2019年10月1日 0時) (
レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)さきの(プロフ) - 毎日1話ずつ更新してくださってありがとうございます！1日の終わりにこの小説を楽しみにしています^ ^更新頑張ってください！！ (2019年9月30日 23時) (レス) id: 7fbb21366a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 林 香織?さん» 素敵なコメントをありがとうございます！ これから紐解いていくので、楽しんで頂けたらうれしいです(^^) (2019年9月24日 19時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - この小説めっちゃ好きです…ヒソカの大事な人の事も気になりますし、不器用な夢主、愛に気づかないクラピカ。めちゃくちゃ面白いです！更新ファイトです！ (2019年9月24日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 音かなでさん» わわっ！とても励みになるコメントをありがとうございます。これからも楽しんでもらえますように精進しますね。 (2019年9月11日 22時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年9月6日 22時
