#95 ページ15
イズナビside
Aが居なくなった岩場で、ひとり物思いに耽る。
イズナビ「面倒くせぇ弟子をもったもんだな…。」
そう、本当に面倒くさい餓鬼だ。
まずは金髪の少年、クラピカ。
同胞の復讐をする為に賞金首ハンターを志願しているとか言う奴は、はなから良い意味でも悪い意味でも人間味の抜けない年相応の少年に過ぎなかった。
生意気なところや負けず嫌いなところなんて典型的な餓鬼だろう。
イズナビ(アイツは弱い。)
復讐がしたいんじゃない。
昔を忘れて、新しい道を歩むことを恐れているのだ。
もう一人の弟子であるAは、一見何の変哲もない少女であるが、その言動の数々から多少の修羅をくぐってきたことは安易に想像出来た。
彼女は緊急時においては案外冷静だ。
それに加えて天下の強化系念能力を持つことから、絶対に今以上の力を持ちえたハンターになることが出来たはずだ。
…あの奇妙な輪がなかったなら。
しかしながら、仮にソレが無かったとして、彼女が完璧になっただろうとは思えない。
Aは人間を知りすぎているのだ。
それが故に、まるで血の色を知らぬ赤子のように純粋な仲間の為に 自己を犠牲にしてしまうことが多々あった。
いくら大人ぶったって、彼らは思春期の青年。これから超えなくてはならない、それなりの弱さを持っているのだ。
イズナビ(だが、不思議なことだ。マイナス掛けるマイナスはプラスになるとは言うものの…。)
それは単に一方の負が他方の正でプラスマイナスゼロになるのではなく、寧ろ二人の力量の総和を上回る程にまで達する。
イズナビ(何がアイツらをあんなにも引き寄せるんだろうか。)
半年間の師弟関係を経て学んだのは、クラピカとAが二人揃った時に発する力はどんな面においても予想の範疇を超えていくこと。
それはまるで“運命”という言葉が まやかしではないことを証明するかのように、幾度となく俺を驚かせてきたのだ。
半年で得たアイツらの戦闘力、念能力は申し分ない。
流石俺の弟子だとでも言うべきだろう。
だけども、同時に朧気な不安が俺の中に目覚め始めていたのは事実だ。
イズナビ「クラピカにはAが必要で、Aにはクラピカが必要だ。＿＿＿＿ただ、共依存しすぎるのは不味いな…。」
轟々と流れる滝の音に掻き消されたソレは、誰の耳に届くことも無く溶けた。
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かにかま(プロフ) - (名前)さきのさん» コメントありがとうございます。褒められると伸びるタイプなので、そう言って頂けて嬉しいです笑 今後ともお楽しみ頂けますように精進しますね。 (2019年10月1日 0時) (
レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)さきの(プロフ) - 毎日1話ずつ更新してくださってありがとうございます！1日の終わりにこの小説を楽しみにしています^ ^更新頑張ってください！！ (2019年9月30日 23時) (レス) id: 7fbb21366a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 林 香織?さん» 素敵なコメントをありがとうございます！ これから紐解いていくので、楽しんで頂けたらうれしいです(^^) (2019年9月24日 19時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - この小説めっちゃ好きです…ヒソカの大事な人の事も気になりますし、不器用な夢主、愛に気づかないクラピカ。めちゃくちゃ面白いです！更新ファイトです！ (2019年9月24日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 音かなでさん» わわっ！とても励みになるコメントをありがとうございます。これからも楽しんでもらえますように精進しますね。 (2019年9月11日 22時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年9月6日 22時
