#33 ページ34
センリツさんの勧めもあって、暫くの間クラピカは家で過ごすことになった。
クラピカ「本当にいいのか？」
センリツ「ノストラード家のことなら気にしないで。貴方一人居なくてもやっていけないほどヤワじゃないわ。」
クラピカ「だが…」
センリツ「いいこと、クラピカ？心も身体も完全に回復したら戻ってきて。それが貴方の使命よ。」
クラピカ「……あぁ。」
押され気味のクラピカ。
センリツさんはレオリオさん達とはまた違った形で彼のことを気遣ってくれているみたい。
私から離れていた間に、こんなに頼りがいのある友達を沢山作って居たのかと思うと、ちょっぴり羨ましかった。
クラピカ「何だかいたたまれないなぁ。」
「クラピ、カ、は、働き、過ぎ。」
クラピカ「Aまでそんな事を。」
「…それに、ちょっ、と、ラッキー。
また、二人、一緒。」
クラピカ「ふふふ、そうだな。それは役得と言うかなんと言うか。」
二人一緒に帰路につく。
初めて乗車した汽車に、私は興奮しっぱなしだった。
*
クラピカ「ただいま。」
「ただ、いま。」
パチンとボタンを押すと、遅れて照明が付く。彼は椅子に腰掛けて、「やっぱり家が一番落ち着くな。」と呟いた。
「お仕事、落ち着か、ない？」
クラピカ「仕事に不満があるわけじゃない。でも、そこにはお前が居ないだろう。」
「私、一緒、落ち着く？」
クラピカ「あぁ。」
「ふふふ、私、も、同じ。」
そう言って笑うと、クラピカも続けて微笑んだ。入れたばかりの紅茶を口に含みながら、彼はふと呟く。
クラピカ「…そうか、もう話せるようになったのか。」
意味ありげな言葉を残して、コトンとカップを置く。それから立ち上がって、切り替えるように言った。
クラピカ「なぁ、久しぶりに街に出ないか？」
「！うん！！」
そうだ、女将さん達に御礼を言わなきゃ。
と、私は直ぐに抱いていたその違和感を忘れてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
金糖の少女 - 恋愛感情で動きを変えないという解釈…！！わかります！！自分も同じ解釈なんですけど恋愛小説ともなると難しいのでどうしても解釈不一致な作品ばかりになってしまうんですよね…(急募 語彙力) (12月15日 16時) (
レス) @page46 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。シリアスなシーンが多い彼なので、創作の中だけでもほっと一息つける瞬間があって欲しいなと思い書きました(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！読み終わったあと、心があったかくなった感じがしました笑 (2021年5月27日 9時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 凛太さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです(^^) (2020年11月11日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛太 - めちゃ読みやすかったし、面白かったです！！！ (2020年11月11日 6時) (レス) id: caca9cc888 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2020年4月12日 1時
