沖田さん、それ以上近づかないで下さい【沖田総悟】

沖田さんはお巡りさん5 ページ7

あなたside


「…名前、何て言うんですかィ？」



そう聞かれた瞬間、体がピシッと固まった。



お客の男は、私がお詫びにあげたアイスをｼｬｸｼｬｸと食べながら座ってこちらを見ている。



(…何のために私の名前なんか聞いてくるんだ？この人は。)



頼むからその大きなキラキラの目でじっと見つめないでほしい。心肺が停止してしまいそうだ。


　
(…はっ、まさかこやつ…！)



私の名前を悪用するつもりか！？名前聞いて、だんだん色々な個人情報とか引き出していって、そんで通帳の暗証番号とか盗んで…！



「んな事出きるわきゃねーでしょ。」



「はっ、はい！！スミマセン！スミマセン！」



「フッ、……ｸｽｸｽｸｽ…」



すると、男の人が口を押さえて笑いだした。



「え…？あ………」



「全部口に出てやすよ、ソレ。」



「嘘！？！？」



「クッ…ｱﾊﾊ……。アンタ、ホントに変な女ですねィ。」



「……え？」



“変な女”とは、聞き捨てならない。




しかし、否定する気にもなれない。それは、自分自身で自覚している。今まで、男性とほとんど関わりがなかった上、例えチャンスがあったとしても、今回のように変に振る舞って引かれておしまい。




もちろん、この男の人だってきっと…









「ﾊｯ、…アンタ、面白いですねィ。」



しかし、彼は違い、私をまっすぐ見据えてきた。

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