式神になってみないか？(禪院甚爾)

33 ページ35

Aは1人で甚爾の元へ向かった



途中瓦礫が散乱したり木々が倒されていたり戦いを物語るものばかりだった




「甚爾......死ぬかもなんて言ったから本当になっちゃったじゃん....」



足を止めた先には目を閉じる甚爾の姿があった




左よりに悟の制服がかかっているからきっと.....





「ねぇ、わたしね、思ってた以上に甚爾のこと好きだよ。大好き。愛してる.....」





気づけば涙が溢れて甚爾の頬を濡らしていた


「涙誰がとめてくれるのさ....」









甚「俺しかいねぇだろ」









「ぇ.....」








そこにはケロッとした甚爾がいた



「ぇ....なんで....」







甚「は？お前覚えてねぇの？俺のこと式神にしたじゃねーか」



甚「"式神に変換されるタイミングは人間としての生が途絶えた時"そう言ってたぞ」




自分の術式くらい覚えとけ

そう言いながらAの涙を拭う



はぁー...と呆れた口調だったが



頬を撫でる仕草は優しいものだった









甚「てことでもう死ぬ事はねえって訳か....」


スクッと立ち上がり背伸びをしたりする甚爾に目立った外傷はなく、悟から受けたであろう致命傷も治っているようだった





「あれ、て事は私の泣き損....？」


待てよ？私が来る前から死んでたよね?そうなると私が来た時にはもう式神として転換されたってことだからまさか.....





甚「アツーイ愛の言葉も聞けて俺は得したけどな」


「〜〜〜//////？！？！」






コイツ！わざと起きなかったな！
睨むと


おーこわっ、と言いながらもニヤニヤする私の式神さん





甚「って事でこれからもよろしくなる奥さん?」


「っ.....式神としてこき使うから覚悟してよね！」









「忘れてた私もだけど起きてるの隠す甚爾もわるーい！」


と顔を真っ赤にしてプリプリ怒る嫁を見て思わず笑いが出る









甚「ククッ....」






縛りなんてしなくても俺の全てはお前のものなのにな


お前のものも全部俺によこせ




絶対手放す気はねえから覚悟しろよ?







なぁ？奥さん?

作者より→←32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す