保健室の濱田先生【紫】 (ページ9)

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９. 。ページ9

待ちに待った放課後

でも、少し緊張していた

『じゃあね重岡、部活頑張って』

重岡「はいよ」

そう言い終わると、速攻保健室に足を向けた

「ふふ、だよね？」

濱田「しゃーないやん」

え…

保健室の前に来てみると、

中から濱田先生と誰かが話してる声が聞こえてくる。

気になるけど、立ち聞き良くないよね

そう思って私は保健室のドアをノックした。

濱田「入ってええよ」

私だと気づいてないからか、

他の生徒と話す時のトーンで返される。

私はゆっくり保健室のドアを開けた。

『し、失礼しまーす…』

久しぶりだから、なんか緊張する…

恐る恐る顔を上げると、

久々に来た私にびっくりしてる濱田先生

と、女子生徒が1人いた。

あ、この人この前先生の頬にキスしてた人…

「先生、この子誰～？」

濱田「…ただの生徒」

「へー」

"今日は用事あるから帰るね"と

語尾にハートがついた言い方で帰って行った

ただの生徒、か…

その言葉が心の中で何回も響く

濱田「もう来ない言うてたやん」

『……いいじゃないですか』

濱田「なんで来たん？」

『っ、会いたかったんですよ！』

女子生徒と2人で話していたこと

ただの生徒呼ばわりされたこと

全部がモヤモヤしてつい口に出してしまっていた。

『先生には他の生徒いるからいいですよね！私なんか来なくても相手してくれる人いるじゃないですか、！』

濱田「まあ、そうやな」

『っ…きらい』

目を逸らしてそう言うと、

何故かグッと距離を詰めてくる濱田先生

濱田「目見て」

『え？』

濱田「嫌いやないやろ？」

『っ、』

濱田「この前あれだけもう行きません言うてたくせに、すぐ来るとか俺のこと大好きやん」

先生は"分かりやす"と言うと、

軽く拳を作って私のおでこにコツンと当ててきた。

そうだよ、大好きだよ

他の女の子と話して欲しくないくらい

『他の人にも絶対同じこと言ってますよね』

濱田「は？」

『だって先生人気だし…！』

素直に受け止められない私は全然可愛げがない

先生の人気に嫉妬して、勝手に感情ぶつけて

本当に性格悪いな、私

濱田「どうやろな～」

『…なんですか、それ』

濱田「お前にだけやったらどうする？」

そう言いながら意地の悪い顔をする先生

そんな質問ずるすぎるよ…