保健室の濱田先生【紫】 (ページ5)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:19,287 hit

５. 。ページ5

『…イライラする』

独り言を言いながら移動教室まで歩く。

朝の光景が頭から離れない。

"君も今日可愛えよ"

『っ、あ～～、もう！！！』

傍から見たら私はやばい人なんだろうな…

そんなことも気にせず私は足を進めていた

『……誰にでも可愛いとか言っちゃうんだ』

私にも可愛いって言ってくれることもあった

密かに期待してたのにな、

私だけにしか言ってないんじゃないかって…

「せーんせ！」

濱田「んー？」

「ふふっ、また来るね」

そんな会話が聞こえてきて前を向くと、

女子生徒が濱田先生の頬にキスしていた。

『…』

あーあ、見ちゃった

それに何で先生も鼻の下伸ばしちゃってるの

やだよ、他の人にも馴れ馴れしくしないでよ…

でも、そんなこと言える勇気もなくて

下を向いて早足に横を通り過ぎる。

濱田「おはよーさん」

『わっ、』

通り過ぎようとした瞬間、

濱田さんに腕を掴まれてバランスを崩してしまった。

さっきの瞬間に女子生徒はどこかに行ったみたい

『…離してください』

濱田「何で？」

『今の濱田さんは嫌い、です』

目を合わせずに私はそう言い切った

だって、本当のことだもん

女の子に馴れ馴れしくしてる濱田先生は嫌い

濱田「ふーん」

『だからもう行きます』

濱田「どうせ俺んとこ来るやろ？」

『っ、行きません！』

思いっきり腕に力を入れて、先生の手を振り払った。

睨んで走り去ってやろうと思って振り返ると

そこには、何故か悲しそうな顔をしてる先生がいた。

『…っ』

なに…

何でそんな顔するの…

濱田「はよ行ったら？」

『あ、はい…』

微妙な空気になってしまって、

私は我慢できずに走り出した。

あんな顔するなんてずるすぎる…

私に興味ないくせに

他の女の子にも同じ対応のくせに

変に期待させるようなことしないでください…