独りよがりの自分語り ページ3
人通りの少ないその街と雰囲気。
昼間ならばもっと、人は多いだろう。
璃月の町は閑散としていた。今は深夜。明日も勿論平日だ。
俺はとある''噂''1つのためにここに居る。
それは、深夜になるととんだ奇妙な声が聞こえる、だとか。
全く、そんな噂1つくらい、俺じゃなくたって_________
''サイタ、サイタ。花ガサイタ。
ハイッテハユレテ、音ヲナラシタ。
奥ニ離シタ、怒気ガ孕ンダ。''
「……これかな。」
音源を探しに立ち上がり、歌声を辿る。
''サイタ、サイタ。
苛マレタ。アヤメタ、アヤメタ。
仰セノママニ。''
走る。走る。
けれど、次の時にはなんだか、ゾッとした。
''アリスヲアヤメタ。
ウバッタ。ウバッタ。
アナタガウバッタ、僕ノアリス。''
細く暗い、その道には小さな子供が居た。
「子……ども……?」
酷くやせ細った、子供が居た。
かくん、と俺の方を見ようと首が動く。
『…僕は子供に見えるの?』
薄らと、子供は嗤う。
目は笑っていない。
目が赤い。なんだか、惹き込まれそうだった。
「……子供じゃないのかい?」
『僕、10歳だよ。もう、10歳。』
薄目で自慢をするように子供は話す。
「この国ではまだ10歳は子供なんだ。」
くすりと俺は笑んで背を合わせるように屈んだ。
『どうして?』
どうして……って。それは。
「ここの''法律''で決まっているからかな。」
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作者名:シュウ | 作成日時:2022年9月7日 23時