ずっと前から 太宰side ページ39
「私が君のお父上に止めさせていたんだ。娘さんを人魚に差し出すことはないって」
どういうこと?今まで私が海に出されなかったのは、治が手を回していたおかげ…?
大切な思い出を語るように目を細める治。
「私ね、もともと自‘殺癖があったんだ。でも君を好きになってからは、止まったんだよ。あぁ、この子がいるなら生きているのもいいなって…」
その時、ハッと気づく。いつもグルグルに巻いている包帯の下には、その傷跡があるのではないかと。
「そして、君の国について理解を深めようと思ってここの図書館に通いだした」
確かに、治は昔からよくこの城の図書館に来ていた。
「君が抱えていたその本…昔、私も読んだことあるんだ。はじめは訳が分からなかったけど、自分で解読してそこから契約のことを知った…そして幼いながらも理解したんだ」
“Aは16歳になると海へ連れて行かれる“
『16歳…?』
「そう、16歳以上の王族というのが条件なんだ。だから君が16歳になる前に交渉したんだ。国のことは、私が何とかするからって」
“もっとも、はじめからお父上は君を差し出すつもりは無かったらしいけど“
治が語ったことが事実なら、私は何年も前から彼に守られていたことになる。
私が中也を選んだら、彼を裏切ることになってしまう…こんなに良くしてもらっているのに?せっかく、私を契約から守ってくれようとしているのに?
『治は、どうやって国を守るつもりなの…?』
「ふふ、知りたいかい?」
顎に手を当てて、ニヤリと笑った治。まるでイタズラを考えているときのように。
「この国の住民を、一時私の国へ避難させる。その後、人魚を皆殺しにするんだ」
『…え?』
人魚を皆殺し………?
整った口から急に聞こえたぶっそうな言葉に、私は思考が停止した。
「人魚は複数いるだろう。だから、海を支配する力を持ち得る種族ごと抹消する。本来自然というものは、誰の支配も受けないのだから」
『それは駄目!人魚にだって、大切な仲間がいるのに!』
中也にだって、紅葉さんが…お姉さんがいるのだ。
『そんなやり方をするなら、私は治と一緒にいたくない…っ』
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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時