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もう一つの道 ページ34

『中也、その前に話しておきたいことがあるの。契約の話って…本当に事実なの?』

「!?、なんでそれを…!まさか太宰の野郎が喋りやがったのか…!?」

『治…?今日の朝、紅葉さんって人魚に会って聞いたんだよ』



そう伝えると「あ”…っ!」と蛙が潰れたような声を上げた中也。彼の様子を見てると、私に秘密にしておきたかったのかな?

というか、まさか治も契約について知ってるの?え、私だけ仲間外れ?



『今日ずっと、自分がどうするべきか考えてたの』

「…おう」

『これからの国の未来を考えたら、他国に嫁ぐよりも、海を守り続ける方がいいと思った』



私の言葉を静かに聞く中也。もちろん、海を守り続けたいという思いは本当。

でも、



『…でもね、もう一つの道も真剣に考えてみたの。そうしたら、私はきっと候補の中で、おさ「やめろ」

「それ以上聞きたくない」
 

中也は鋭い目つきで私を見る。その顔は苦しそうに感情で歪んでいるようにも見えた。



『中也、お願い聞いて…海を守り続ける以外にも、この国を支える方法があるんじゃないかと思って、』



そう、彼…治といれば、新しい道も開けるんじゃないかと感じるのだ。頭がよく回る彼は、それに協力してくれると思う。

…それに、このまま契約を続けて、また何代か後に重い選択を迫られる人を出したくない。国を思う気持ちがあっても、未知の世界にたった一人で飛び出すのは、怖い。…私が意気地無しなだけかも知れないけれど。



「……だから、手前は太宰を…選ぶのか」


聞いたことないほど低い声に威圧されるが、気持ちを強く持って口を開く。



『中也からの気持ちは嬉しいよ。だけど…私は、治と結婚しようと思う』



はっきりと告げた。…こういうことは、曖昧にしては相手にも悪いと思った。

だから、「ごめんなさい」と言おうとしたのに。



「ハハッ…………A、あぁ、そうだよな…俺じゃなくて当然だよなァ…。彼奴と過ごした時間の方が、俺より長いもんなァ…?いっくら俺が手前のことを愛してたって、伝わらねェよなァ……」

『……ち、中也…?』


乾いた笑いに遮られて断るタイミングを見逃す。何だか、中也が怖い。

私の肩を掴んでいた手は、背中に回され抱きしめられる。そして、私の耳に中也の口が近付けられた。



「俺の任期、いつまでか知ってるか……?」

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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時

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