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ご先祖様 ページ30

その内容は、あまりにも衝撃的だった。

この海の平穏は、一族の犠牲が伴って保たれているものだったのだ。

何も知らなかった。



「何も聞かされておらぬのか」

『はい…っ、では、私の母も海へ…?』


病気で、私が小さい頃に死んでしまったと聞かされていたけど…。


「いや、最後に王家を貰ったのは何百年も前じゃ。それに、統治者が女の人魚ならば、王家も男を差し出すことになる」


必ずしも女が犠牲になるわけではない。

そんな歴史がこの国に隠されていたなんて、どうして今まで教えてくれなかったのか。そもそも、お父様は知っているのかな?

そこで、ハッと気づく。



『あの、さっき中也の持つ力って言いました?』

「言ったのう」

『ま、まさか中也が今の統治者…?』

「そうじゃな」

『ええぇ⁉てことは中也既婚者だったんですかッ⁉』

「…ん?」



だって、

中也が統治者=過去に王家の女の人を貰ってる

…ってことになるよね?え、でも中也凄い私にくっついてくるよ?浮気じゃん、駄目じゃん…!



「中也は統治歴9年じゃが?」

『え…?』

「まだ嫁は貰っておらぬ」



あ、なんだ良かった…私の中で中也のイメージが下がるところだった((



「…ホッとしているところ悪いが、中也がまだ嫁を貰っていないという意味が分かるか?」



中也がまだお嫁さんを?

お嫁さんは王家から選ばれる…

王家の女の人は………、私だけ………?


そう理解した途端、サァっと顔から血が引いていく感覚がした。



『私が海に行かないと、国の海はどうなるんですか…?』

「契約は無効となり、海の平穏は絶たれる」



私一人の判断で、一国を巻き込むことになる。この国の利益は海での産業が半分以上を占めている。

もし、観光産業や漁業が成り立たなくなったら…

この国はおしまいだ。



「まだ若い娘にこんな重い話をしてすまぬのう…」



《しかし、先祖の約束したことはどうにもならぬ…》紅葉さんがそっと肩を抱き寄せてくれる。


「契約に強制力はないのじゃ。周りの者の意見や、お主が望まぬなら、破棄することもできる。しかし、一度破棄すれば二度と結べぬが…」



今まで契約が続いてきたのは、みんな海の平穏を望んだから。だから、誰一人として破棄した者はいなかった…。

生贄は怖い…けど、私もご先祖様達と同じ思いを持っている。

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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時

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