運命 ページ18
「だって私達、将来の話してたから」
「はぁ?将来の話って何だ」
「Aは私の未来のお嫁さんになるの。一年後には、隣にある私の国で一緒に暮らすんだよ」
『で、でもまだ決まった訳じゃ…』
「でも君の父上は乗り気なんだよ?」
そうなの?
お父様、いつの間に話を進めてたんだか。
確かに太宰様は候補の中でも有力だから、本当に嫁いでもおかしくはないんだけど…。
「隣の国…手前、国持ってンのか…?」
「私だけじゃないさ。Aだって、この国の王家だよ。まさか、知らなかったの?」
煽るように話す太宰様。中也は口を開けたまま固まっている。太宰様はともかく、私が王家だということに今気づいたみたい。
確かにそのこと言ってなかったな…忘れてた。
でもお城とか、召使いとか見てピンと来なかったのかな…?そもそも王家という概念がなかったとか?
「…………A、手前、王家なのか……?」
『ご、ごめんね…言うの忘れてた。説明しなくても分かると思って…』
「あぁ、そうか。そうなのか……手前だったんだなァ……A」
『え?』
「やっぱり俺達、運命で結ばれてたンだ」
『運命?』
中也は私の手をギュッと握って指を絡ませた。突然何を言いだすのだろう。私を見つめる中也の顔は、喜びが隠しきれていない。
「Aは、俺が貰う」
「『は?』」
太宰様と私の声が見事に重なった。
「ねぇ、話聞いてた?Aはお嬢様なの。私との結婚はほぼ確定だし、そもそも何も地位もない君が王家の彼女を貰える訳ないだろう」
「…いいや、俺がコイツを貰う。手前と結ばれる運命じゃなくて残念だったな」
『あの…さっきから運命、運命って何のこと?』
運命なんて、本当にあるか分からない。なのに中也は自信有りげに、先程からずっと「運命だ」と繰り返している。
問うた私に、中也は優しく笑って頭を撫でる。
「悪ィな。いくらAの頼みでも、今はまだ教えられねぇ。…ちゃんと俺のことを見てほしいからな」
『…?これから暫く中也と暮らすんだから、それは構わないけど…』
「え、君達一緒に暮らしてるの?まさか、この部屋で?」
『まだ一週間くらいだけどね』
「何それズルい…‼」
顔をしかめて駄々をこねる太宰様。
「……よし決めた」
『ん?』
「私も、今日からここで暮らそう」
『…ん?』
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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時