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k『ん？なんだっけこれ』
突然声がして、お玉を落としそうになった。
「ちょ、脅かさないでよ」
カウンターの向こうから、くんくんと匂いを嗅ぎながら顔を出した。
k『すいません(笑)おじゃましますって言ったんだけ………』
ネクタイを外す手が止まって、彼が黙った。
「なに、」
k『かみっ……どうしたの』
「あぁ。切ったの」
k『ぅわ、マジで。切ったんすか』
中途半端にほどけたネクタイをぶらぶらさせながら、近づいてきて。
短くなったその先に触る。
k『いいじゃん。かわいい。かわいいっ』
「ありがと(笑)」
何が気に入ったのか、毛先をくるくると指に絡ませながら、鼻唄をうたう彼の。
変な形をしたネクタイを解く。
白いシャツから透ける、肌の色に。
触れたくなって。
ワイシャツのボタンをはずした。
k『この匂い何だっけ？いい匂いなんだけど』
「クラムチャウダー。すきだったよね」
k『好き』
白くて、滑らかな肌に。
指で触れる。
髪から手を離すと、
k『したいの？』
少し。
意地悪な表情をした。
「うぅん。触りたくなっただけ」
k『じゃあ、満足？』
「うん」
鼻が、触れるくらい近づいて。
k『ねえ。もっと欲ばりになってよ』
そんなコトを言う。
彼の放つ言葉は。
あたしの中の何かを、いつも掻き乱す。
だけど。
彼は、きっと。
ソレに気づいていない。
昨日も、今日も、明日も。
きっと、ずっと。彼にだけ。
「いいの？」
k『いいよ』
「じゃあ、後で、」
k『後で？』
「髪、乾かしてくれる？」
k『え、そっち？！』
大げさに仰け反ると、
はははははっ！って、くしゃくしゃの顔で笑った。
「ご飯。食べよ？」
k『うん。食べよ(笑)』
彼は。
ずっと気づかないんだと思う。
アナタの言葉1つで、胸が跳ねたり、沈んだりするコト。
アナタの仕草に、ぎゅうっとなるコト。
いてくれるだけで、ココロが穏やかになるコト。
そうゆう、意図しないトコロで。
あたしをどんどん、欲ばりに。我儘にしていくのに。
そんなコトにはちっとも気づかないで。
笑っているんだろうな。
はだけたままのシャツから、
白い肌が見えた
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とあ(プロフ) - ユウさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。いただいた感想を励みに更新します (2019年4月1日 14時) (
レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 物語の空気感というか時間の流れ方がとても気持ちよくて一気に引き込まれました！岸くんの後輩感と男の子感と男の人感が可愛くて優しくて素敵な作品だなと思いました！！！今後の2人がとても楽しみです！ (2019年3月31日 20時) (レス) id: 111293a5e5 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - いっくさん» ありがとうございます。気ままに更新ですが、見ていただけて嬉しいです (2019年2月12日 7時) (レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
いっく(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。岸くん大好きなので勝手にキュンキュンしちゃってます！ (2019年2月11日 8時) (レス) id: c15603ea35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とあ | 作成日時：2019年2月7日 22時
