第19話 ページ21
｢…さて、そろそろ部屋に戻ろうかな｣
そう言ってひとらんらんは立ち上がった。俺もせめて見えなくても見送ろうと立ち上がる。と、同時に廊下から誰かが走っている足音が聞こえることに気が付いた。ひとらんらんもその足音に気付き、少し身構える。
…音がだんだんと近づいてきている。この部屋に来ることが目的の可能性もあるな。流石に侵入者では無いと思うけど……
次第に大きくなっていく足音は、ついに俺の部屋の前で止まった。やはりこの部屋に来ることが目的だったようだ。こんな時間に一体何の用で…？俺も念のため、ポケットの中でナイフを握り身構える。
部屋の扉はノックされることなく、開かれた。その扉を開いた人物は、ひとらんらんと同じくよく知る人物だった。
｢ひとらんらんさん…っ！やっぱりここに居たんや…！｣
そこには息を切らしたエーミールが居た。
な、なんだエーミールか…。俺はほっとしながら握っていたナイフから手を離した。同じく警戒を解いたひとらんらんがエーミールに話しかける。
｢ど、どうしたのエーミール。何か用件があればインカムで………｢これ、部屋に置きっぱなしでしたよ｣あ、｣
エーミールがひとらんらんにインカムを手渡す。
｢先程部屋を訪ねたんですけど居なくて…もしかしたらこちらに居るのではないかと思って来ました｣
｢そう……ごめん。それで何の用？｣
ひとらんらんがインカムを装着してから、エーミールに尋ねた。エーミールはこほんと咳払いをしてから口を開く。
｢Aさんに繋がる手がかりが見つかったんです！｣
｢…！！ほんと…？｣
｢…！？｣
俺に繋がる手がかり…？もしかして持ち去られたと仮定していたロープとハンカチが見つかったとか…？いや、そんなヘマはしないだろう。
俺は脳内で男との戦闘からの記憶を辿る。しかし特に手がかりになりそうな物は出てこなかった。
｢詳しいことは総統室で！｣
｢分かった｣
そう言ってエーミールとひとらんらんは部屋を飛び出した。一人取り残された俺は呟く。
｢……追いかけない訳がないよなぁ｣
覚えのない手がかりなんて気になるに決まっている。俺は開けっ放しになっていた扉を閉め、総統室を目指した。
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
