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8話 ページ10

(黄side)


「久しぶり、だね...。」


少し困ったようにそう笑う彼女に、思わずビクッと肩がはねる。
やっぱり気付かれてた...。
なんて言えばいいのか分からず、固まったままでいる僕に構わず、彼女はさらに言葉を続ける。


「瑠斗くんとまた会うなんてびっくり!まさかアイドルにな
ってるなんて思いもしなかった。」


る 「別にアイドルってわけじゃ...。」


「そうなの?でも充分すごいことだよ。」


昔と変わらぬ、優しい物言いでそう言って笑っている君に、思わず拍子抜けしてしまう。
まるであの事が無かったみたいだ。

「瑠斗くん、イケメンになったね。大人の色気が眩しい!」


冗談交じりにそうケラケラと笑う彼女のほうが、充分綺麗になったと思う。
高校の頃から、現実離れした容姿だったけども。
まだ幼さの残った、可愛い印象から一転。
綺麗、美しい、というような言葉が似合う大人の女性だ。


る「Aちゃんは変わらず美人ですね。」


「あはは、お世辞でも嬉しい。...あれ、もう時間?」


Aちゃんの隣にいた人が、連絡を受けて彼女に耳打ちすると、慌てたように時間を確認すらり。


「じゃあもう行かなきゃ。またね、瑠斗くん。みなさんもラ
イブ頑張ってください!!」


ポカンとしているメンバーにそう声をかけるやいなや、彼女は僕に背を向けて、さっさと歩き出してしまう。
もう、行ってしまう。
次、会えるかなんて分からない。
そう思ったら言葉が口をついて出た。


「Aちゃん...!何で、転校したんですか...?」


あの日、突然いなくなったのは一体どういうつもりなのか。
僕の問いに、彼女は一度立ち止まって振り返る。
笑っているのにどこか冷たい、色の無い顔だった。






「そんなの.........君に会いたくないからだよ。」



そう言って彼女はまた歩き始めた。
今度はもう振り返ることはなかった。

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なな - すごく面白いです!ころんくん推しだけど、るぅとくんも好きになっちゃいそうなくらい良い作品ですね!表現が細かくて伝わりやすいです!更新頑張ってください! (2023年2月19日 23時) (レス) @page33 id: 06d5495fa3 (このIDを非表示/違反報告)
√∞(プロフ) - るぅとくん好きなんでこの作品嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年2月2日 17時) (レス) @page32 id: e4bc64edf9 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - しのぶさん» ありがとうございます!最近忙しいので更新頻度落ちるかもしれないんですけど頑張ります! (2023年1月17日 19時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 初コメです!凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです!頑張ってください! (2023年1月17日 6時) (レス) @page25 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - なむなむさん» ご観覧ありがとうございます!どしどし更新頑張ります! (2023年1月16日 17時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sora | 作成日時:2023年1月10日 20時

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