23話 ページ25
楽しいお買い物が一転して絶望に変わる。
突如、呼ばれた私の名前に振り返れば、そこには。
「...っ!み、雅くん...?」
雅「あ、やっぱりAちゃんだった。何してるの?」
人良さげに、にへらと笑ってくるのは藤宮 雅くん。
私の.........婚約者、である。
いつだって優しいし、私のことを大切にしてくれる。
父も家柄にも人柄にも恵まれた彼なら申し分ないと言った。
まさに理想の婚約者様だ。
雅くんなら、両親にここにいることを言わないでほしいと言えば、黙っていてくれるはずだろう。
けれど今回は訳が違う。
私は夜に出かけてから帰ってこず、今日も雅くんとの食事をすっぽかして遊びに来ているのだ。
当然、それは雅くんの耳にも届いているはず。
雅「Aちゃん、今日はどうかした?今までこんなことなかったからびっくりしたんだけど。」
「ぁ...ごめん、なさい。」
雅「遊びに行きたいなら、言ってくれたらいつでも連れて行ってあげるのに。」
顔は笑っているけど、その瞳の奥の疑いはまだ残っている。
彼も気になるはずだ、どうして私がこんなところにいるか。
沈黙が、私に説明を促す。
彼の不思議そうな顔が、父の顔と重なる。
怖い、怖くてたまらない...震えが止まらない...っ!
真っ青になりながら、必死に言い訳を考えていた時だった。
私を守るように、誰かが私の前に立ったのは。
る「あの...Aちゃん怖がってます、から。」
私を嫌いな君だった。
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なな - すごく面白いです!ころんくん推しだけど、るぅとくんも好きになっちゃいそうなくらい良い作品ですね!表現が細かくて伝わりやすいです!更新頑張ってください! (2023年2月19日 23時) (レス) @page33 id: 06d5495fa3 (このIDを非表示/違反報告)
√∞(プロフ) - るぅとくん好きなんでこの作品嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年2月2日 17時) (レス) @page32 id: e4bc64edf9 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - しのぶさん» ありがとうございます!最近忙しいので更新頻度落ちるかもしれないんですけど頑張ります! (2023年1月17日 19時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 初コメです!凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです!頑張ってください! (2023年1月17日 6時) (レス) @page25 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - なむなむさん» ご観覧ありがとうございます!どしどし更新頑張ります! (2023年1月16日 17時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sora | 作成日時:2023年1月10日 20時