あなたにもう一度 【黄】

21話 ページ23

(赤side)


「おぉ〜、美味しそうっ！」


る「ちょっとAちゃん！クリーム落ちそうです！！」



ガヤガヤと人で賑わうショッピングモール、クレープ店前。
顔をキラキラさせて、クリームたっぷりのクレープに興味津々の絶世の美女が1人。
その横でお母さんかってくらいアワアワと美女のお世話をしているイケメン...すなわちるぅとくんが1人。


そして、俺...莉犬です。
昨日の深夜、驚く程に綺麗な美女を連れてやって来たるぅとくんに、今日も今日とて俺は振り回されてます。


彼女...天崎Aちゃんは何だか家に帰りたくないらしく、今朝突然ショッピングモールに行こうかと言い出した。
そこで心配なのか、『僕も行きます！』なんて言うるぅとくんに、俺まで家から引っ張り出されたというわけ。


いや......過保護か！
なんて思いっきりツッコミたくなったのは内緒。
っていうか、るぅとくんはただの元カノだなんて言ってるけどさぁ......。



「もう食べていいかな？」


る「まだ熱いからダメです、やけどしますよ。」



「じゃあ先にジュース飲もっかな、貸して。」


る「いいですよ...ってまたクレープ傾いてますから！」



だなんて言いながら、がっつり世話を焼いてあげている。
これがころちゃんなら...。



こ『もう食べていいかな？』


る『え？あぁ、いいんじゃないですか？』


こ『あぁ〜！クリーム落ちたぁぁぁ！』


る『ははw自業自得ですね。』



...くらい言いそうなのに。
アワアワしながら、もうっと少し怒りながらも。
その横顔は柔らかくて。
何だ...ただの元カノじゃないじゃん。
なんて、少し微笑ましく思ったりして。

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