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38話 ページ8

飛行試験の次の日。先生達が滞在している職員室。その窓から生徒たちが登校してくる様子が伺えた。


いつものように、窓から生徒たちを眺めようと思っていたのだが



なぜ私は床に正座をしているのだろうか



「…エート、カルエゴくん…?」


「…」




あっ無言が怖い。



Aの前に仁王立ちに立っているのは、陰湿陰険厳粛大好きカルエゴくんである。


元々眉間の皺が酷く、真顔でさえも怒っているように見える程怖いのに今Aの前にいるカルエゴは普段の五倍ぐらい顔を険しくしていた




周りの先生から好機の目で見られ、Aはヘラヘラとすることしかできない。



カルエゴが怒っている原因は分かっている。昨日、使い魔を使ったことだろう。




「貴様、本当にわかっているのか」


「ちゃんと分かってるって〜」


「ならば何故呼んだ」


「あそこで入間くんとサブノックくんを見捨てる事を自分がしたら、もっと恨んじゃうとかなって思って」



へらっと笑っていたAが、真剣味を帯びた口調になる。

真剣味を帯びているのに、その語気は弱く目が下へと落ちる。


なにか、嫌なことを思い出しているようであった。




「…入間はまだしも、サブノックは違反者だ。そこは理解しているか?」


「先生として可笑しくない行動をとったつもりだけど?」


「貴様のリスクを考えればあの時見捨てるべきであった。まだ位階なしのクズと、7(ザイン)の貴様。どちらが大事だ?」


「ねえ、私そういうの嫌いって言ったよね」




職員室がピリッとした雰囲気に包まれる。


いつも笑顔を絶やさないAが、怒っている。幾度となく怒る場面はあったが、ここまで怒気を帯びているのは初めてであろう


流石に不味いと思ったのか、他の先生が場に入ろうとする。が、



「入間様のおなーりー!!!」




外から、この雰囲気を怖す声が割って入ってきた。

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作者名:野崎 | 作成日時:2020年1月31日 4時

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