42話 ページ12
あの日から数日。
入間がピンクの何かふわふわしたものを咲かせた以外には大きなことはなく穏やかに過ぎていた。
Aも流石にカメラを持ち他の先生の授業に割り込むことはせず、以前と変わらず職員室でダラダラとする日々が続いていた。
カルエゴの時の件のお返しを3人にしたいと考えてはいるが、何故か最近は入間がどこかに行ってるらしく中々タイミングが合わなかった。
｢どうしたもんかねえ…｣
のんびりと魔茶を啜りながら考える。が、何も思いつかない。
そんな中、誰かが職員室の廊下を走る音が聞こえる。
元気だなーと思っていたら、バァンと開かれる扉。
｢A先生！｣
｢わぁアスモデウスくん。廊下は走っちゃダメだよ｣
｢あっ、す、すみません…！思わず…｣
あのアスモデウスくんがここまで急いでくるなんて珍しい。何かあったのだろうかと椅子から腰をあげると、地下運動場の使用をお願いしに来たようだ。
｢何かやるの？｣
｢はい！入間様が位階昇級をなされると仰ったため、次の位階昇級対象授業の特訓をと！｣
｢おー、入間くんが。それなら使用許可を出しておこう。あと暇だから私も行くね｣
｢A先生が指導して下さるということですか！それは入間様の特訓が捗りそうです！｣
なんか変な方向に受け止められたがまぁいいだろう。
地下運動場を使用しますと書いた紙をカルエゴの席に置いておき、職員室を出た。
｢それにしても、アスモデウスくん凄く嬉しそうだね｣
｢はい！入間様は位階昇級に興味がないと思っていましたので、私としてもとても嬉しいのです。入間様が
｢そっか入間くん
というか、まぁ人間が位階を授けられてる自体が凄いんだけど。
なんて口に出せる訳もなく、Aはアスモデウスと肩を並べてクラスへと足を運んだ。
入間とクララは問題児クラスの方で待っているそうだ。
｢…そう思うと、アスモデウスくんと二人で話すのは初めてかな？｣
｢そうですね。いつも入間様かウァラクがいますし…｣
｢はは、クララちゃんの名前呼ぶ時だけ嫌そうな声。…やっぱりアスモデウスくんは美人さんだね〜｣
並んでみるとアスモデウスの美形さがしみじみと感じる。
あれだね、隣で並びたくない男NO.1ってやつだ。
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作者名：野崎 | 作成日時：2020年1月31日 4時
