32話 ページ2
下には、いつの間にか金剪の長の住処に着いていたようで、そこで何故かサブノックと長が戦っていた。
サブノックに長の爪が迫り刺されそうという所で入間が間一髪サブノックの身体を転がし爪から逃げる。
Aは急いで二人で話してる所に飛び込む。入間は安心しているせいかまた爪が迫っていることに気がついて居ないのだ。
背に腹は変えられない。今、完璧に入間とサブノックを守れ穏便に済ませられる方法はこれしかないのだ。
「入間くん、サブノックくん、絶対に今から目を開けないでね!。…バジリスク、止めて!」
まるでAの影から溶けだしたかのように出てきたのはバジリスク。
猛毒と石化を兼ね備えた蛇である。これが、Aの使い魔。
バジリスクに睨まれ、止まった金剪の長の爪。
史実通り、本当に石になるわけではない。制御すれば精々、多少身体に痺れが回り動けなる程度。
だが、今回はバジリスクを出す必要はなかったらしい。
子供が金剪の長へと抗議をしていた。この調子ではその爪は入間達へと当たらなかっただろう。
バジリスクに感謝し返した。そして入間達に声をかける。もう目を開けていいよ、と
目を開けたサブノックが好機と思ったのか武器を持とうとする。制止しようとしたが、必要は無かった。
入間が長へと声を掛け、自分たちは無害だとアピールしていたからだ。
入間の言葉に従ったサブノックも武器をおろし、金剪の長は安心したらしい。
「よかった」
そう息を漏らすと、信じられない光景が目の前に広がった。
あの金剪の長が頭を垂れたのだ。
入間はその事の重大さに気がついておらず、そんなご丁寧に…と笑っている。
Aとサブノックは思わず顔を見合せ、笑いあった。
________
「なんで私まで??」
「貴様、使い魔を使ったな?」
「…仕方がないじゃん?」
「阿呆、仕方ないで終われるわけないだろう。貴様はそこでクズ共と反省していろ」
やけに怒っているように見えるカルエゴが、そう言い切ってそばを離れて行く。
入間は反省中、サブノックはもう約束破りません、そして私は阿呆と書かれたボードを首から下げている。
「ぐぅ、屈辱…!」
「まぁまぁ」
悔しがるサブノックを入間が宥めた。
入間がサブノックを慰める言葉を言い,うんうんと思わず相槌を打ってしまった。退学にならなければなんでもいいんだよ。基本的に。
135人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「魔入りました!入間くん」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:野崎 | 作成日時:2020年1月31日 4時