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｢…すみません、ショッピさん絶対寒いですよね｣
｢…………まあ寒くないって言えば嘘になりますけど。でもいいですよ着てて。俺風邪引かないし｣
｢いや悪いですよ。私スーツ着てますし、お返しします｣
｢…じゃあ着たまんまでいいんで、Aさんがあっためてくださいよ｣
彼は少し頬を赤くしてそう言った。
衝撃で声が出なくて、は、と間抜けな声だけが口から漏れる。
そんな、人肌で暖め合おうなんてそんな漫画みたいなこと______
私は反射的に彼に着ていたジャケットを投げつけてしまって、真顔で彼を見つめた。
｢ちょっ、ジョーダンですって！酷いなぁ｣
｢冗談にしても程がありすまよ？｣
｢クソほど動揺してて草｣
.
朝がきた。
私たちはあの後とても寒かったが、疲れからかすぐに就寝出来た。
私はあと数十分は寝たかったが、彼に叩き起されて重い体を起こす。
｢早く行きましょ。あらぬ誤解をかけられても困るんで｣
｢一夜を共にしたのは事実ですけどね｣
｢いやそっちじゃないっすよ｣
考えがえろいんすわ、と彼は鼻で笑う。
私はその他に考えが見つからず、本気でハテナを頭の上に浮かべた。
私は思ったよりも煩悩の持ち主なのか、と少しショックを受ける。
｢チーノはAさんが裏切り者やと思ってます。俺はAさんを助けに行ったんで、もしかしたら俺もって思われてるかも｣
｢そんな………って裏切り者？｣
｢そうっす。まあ、粗方予想はついてますけど｣
彼はそう言って、遠くを見つめるように前を向いて歩き出した。
裏切り者____だなんて、なんて人聞きの悪い言い方なんだろう。
しかし、最近捕虜として入国した私が何かしでかすのではないか、と考えるのもなんらおかしくない。
実際のところ、仲間を人質にとられた時点で私は為す術などないのだけれども。
そんなに怪しむなら私の心中を見て欲しい位だが、それは不可能なので、私はどうやってもチーノという男の信用は得られないだろう。
私は帰るのが憂鬱だと思いながらも、彼の隣を歩いていた。
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味噌かつ - Twitterフォローさせていただきました！いつも繰り返し見てます！神作だと思ってます！素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月14日 20時) (
レス) @page46 id: ed221277ea (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 柊木さん» ありがとうございます..！！そうおっしゃって頂けて嬉しいです(TT)良かったです！もっと考察出来るような深い作品に出来れば良かったのですが、自分の技量ではそうもいかず、、今後もそうおっしゃって頂けるよう頑張ります！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 白夜ちんさん» いや、彼らをそう仕立て上げた裏の支配者は私です・・・(？)是非そうしてやってください！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柊木(プロフ) - すごく考察に入りたいレベルで好きです…。勝手にスパイの目星をつけて楽しんでます！ 本当に面白くて好きです！ (2021年3月12日 0時) (レス) id: 98823b925f (このIDを非表示/違反報告)
私猫(プロフ) - 夢主ちゃん？！？！ (2021年3月11日 14時) (レス) id: a5b5a226ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月3日 11時
