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この状況を、どうやっても打破するビジョンが浮かばない。
どうすれば最善かがまるで分からなくて、ギリッと歯を食いしばった。
｢…して、どうなのかね。こっちに来てくれるかい？｣
｢………本当に、助けて頂けますか｣
｢あぁ勿論。約束しよう｣
｢分かりました｣
｢っおい！！！！！アホか！！俺のことはほっといてええって！！！！！｣
｢ありがとう。………しっかり録音させてもらったよ｣
·
録音、と言った彼の手には、確かに録音機が握られている。
抜け目のない男だと思いながら、私はゾムの手をぎゅっと強く握った。
私は彼の背中にくっつくように立っている。
だから彼の顔は見えないが、恐らくとても怒っているだろう。
しかし、私が彼らの元に行くことでここにいる全員が助かるのなら安い話だ。
アンネスが注射器をコネシマの喉元から離すのを確認して、私をホッと胸を撫で下ろした。
｢アンネス、殺れ｣
｢________は？｣
｢その注射器でその男を殺せ｣
｢なっ______！！！！！汚ぇぞクソ野郎！！！！！｣
流石のアンネスも驚いたようで、注射器を持つ手が止まっている。
コネシマはその隙に抜け出そうとしたが、すぐに注射器を突きつけられ脱出は適わなかった。
心なしか、光の宿っていなかった彼女の瞳は僅かに生気がある気がする。
彼女の注射器を持つ手は震えていて、コネシマに注射器の針を刺すのを躊躇っているように見えた。
｢殺せ。じゃないとお前の崇拝するこいつを殺す｣
｢！！！｣
｢あかん！！アンネス！！！｣
｢………すみません、オスマン様｣
オスマンに銃口が向けられ、アンネスは心を決めた様子でコネシマに注射器を刺した。
刺したところは喉元ではなく腕だったが、それでもボツリヌス菌の効力は尋常ではない。
私は絶句して声も出ず、ただゾムの服をぎゅっと握った。
｢っお前……！！！！！｣
｢よくやった、アンネス。さて、次はそこの___｣
｢死ね！！！｣
｢ガッ、！！！｣
ゾムが痺れを切らして動こうとしたが、アンネスが男に向かってそう叫んだ。
アンネスはコネシマを地面に落とした後、先程拾い上げたオスマンの拳銃で彼を撃ち抜いた。
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あまね(プロフ) - 完結！おめでとうでふ！ (10月29日 11時) (
レス) @page27 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
パリラ - 凄いですね、、、もう本当に好き過ぎて一日で読み切りました！ (8月30日 10時) (レス) @page27 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖 - これめっちゃ前に見てそれからずっと探してたんですけどやっと見つけて徹夜で読みました、、！！スリルがあって何より菊さんが好きすぎて！！最高でした！！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年5月4日 4時) (レス) @page27 id: 1132857e69 (このIDを非表示/違反報告)
輝月(プロフ) - 久しぶりに占ツクに戻ってきたら好みの作品見つけて一気に読んでしまいました！これは今後がとっても気になります！素敵な小説をありがとうございます！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: 4cc550c3ab (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - みちゃくちゃ好きな作品！！！！完結？おめでとうございます！！オチ…みたいけどTwitterやってねぇ…！！ｸｿｩ…他の作品でも頑張って下さい… (2021年6月25日 22時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月23日 9時
