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深い眠りに落ちている時、ぽつぽつと話し声が聞こえてきた。
それは聞き覚えのあるバリトンボイスと、聞き覚えのない男の声だった。その声は私のことについて話しているようで、聞き耳を立てている気分になる。
段々と眠りが覚めてきて、彼らの声が鮮明に聞こえるようになった。
薄く目を開けると、そこには少し距離はあいているものの、仁王立ちするグルッペンの姿があった。
私はどうすれば最善かを考える。しかし、私には戦略や作戦を考えることなんて向いていない為か全く最善策が浮かばない。
私の懐に隠れている残り1本の睡眠ガスをどこで使うかが鍵になるのだろうが、使い時がいつかが分からない。目の前に戦略ゲー最強の男がいるが、相談出来る訳もなく強ばった体の力を抜く。
一体どうすればいい。
はぁ、と心の中でため息をついたところで、一つその通りにいけば成功するかもしれないという案が浮かんだ。
頭の弱い私では、それしか浮かばない。
これしかないと思い、私は発言する時を待った。
｢あら。起きたのね｣
｢殴るなんて酷いです。しかも走った後なんて……｣
｢ごめんなさーい。うふふ、やっぱり可愛いわね｣
彼女が私の顔を好みだと言ったのは本当らしい。
少しだけ頬を赤く染める彼女は、同性である私でさえ可愛らしいと思った。
彼女は見知らぬ男に近付いて、大きいソファーに座る彼の隣に腰掛ける。
｢………流石といったところか。俺もそこまでは知らないが、ヤバい薬だとは聞いている｣
｢1gで100万人が死んでしまうという死の薬です。私も実際に見たことはありませんが｣
｢えっそんなヤバい薬なの。よく仕入れたわね｣
｢大金をはたいただけはあるな｣
まああの薬はボツリヌストキシンではなかったので、騙されていたのだろう。
恐らく毒には変わりないが、コネシマのあの様子を見ると毒性も弱いと考えられる。専門でない人には分からないのだろうが、あの毒に大金をはたく価値なんてないだろう。
私は心の中でそう呟きながら、笑顔を貼り付けた。
｢_____実力は確かみたいだな。良いだろう、お前をうちの研究員として招き入れようじゃないか｣
｢…………何故です？私以外にも研究員は沢山いますが｣
｢さっきの薬…、うちの科学者は誰一人として知らなかった。まあお前に拒否権は無い。ドーラ｣
｢あら。もう少し楽しみたかったけれど｣
彼女はそう言うと、グルッペンに銃口を向けた。
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あまね(プロフ) - 完結！おめでとうでふ！ (10月29日 11時) (
レス) @page27 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
パリラ - 凄いですね、、、もう本当に好き過ぎて一日で読み切りました！ (8月30日 10時) (レス) @page27 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖 - これめっちゃ前に見てそれからずっと探してたんですけどやっと見つけて徹夜で読みました、、！！スリルがあって何より菊さんが好きすぎて！！最高でした！！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年5月4日 4時) (レス) @page27 id: 1132857e69 (このIDを非表示/違反報告)
輝月(プロフ) - 久しぶりに占ツクに戻ってきたら好みの作品見つけて一気に読んでしまいました！これは今後がとっても気になります！素敵な小説をありがとうございます！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: 4cc550c3ab (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - みちゃくちゃ好きな作品！！！！完結？おめでとうございます！！オチ…みたいけどTwitterやってねぇ…！！ｸｿｩ…他の作品でも頑張って下さい… (2021年6月25日 22時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月23日 9時
