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と考えていると、彼は勢いよく頭を下げた。
しん、と病室が静まり返る。
皆ぽかんと口を開け、あの川田でさえも目を見開いていた。
｢ほんまに、すみませんでした！仕方なかったとはいえ、やり過ぎたというか……、本当にすみません。｣
｢と、トントンさん……？｣
まさか彼が謝罪するとは思っておらず、私も驚いてしまう。
身長の高い彼が、深々と頭を下げている。
中々上がらない頭に流石にじっとしていられなくて、彼の元にかけよって体を揺すった。
｢も、もう大丈夫なんで、頭あげてください！｣
｢おいA、なんでお前が言うんだよ。…まあ、流石に謝ってくれるとは思ってなかったな。かと言って許すと思ってんのか？兄ちゃんよ｣
｢分かってます、貴重な研究員の方々をこんなに怪我させてしまうなんて…。謝っても許されません。それでも、謝らせてください｣
｢波坂さん！謝ってるんですから、もう許してくださいよ！｣
私も仲間に怪我させたのは腹が立ったし、恨みさえ彼に抱いた。しかし、本当に申し訳無さそうに頭を下げる彼を見ると恨みなんてなくなってしまった。
彼は命令で捕獲する為に、余儀なく私達を攻撃したのであって、彼が故意でやったわけじゃないのは分かってる。分かってるが故にここまでされるとこちらが悪者なのではないか？と錯覚すらしてしまう。
終いには仲間に許せ！と私が頼んでしまった。それでも、彼は一向に頭をあげようとしない。
｢……今すぐに、とはいかないけど。謝罪しにきてくれてありがとう｣
｢………！｣
彼がようやく頭をあげると、菊さんが彼にそう言った。
そうだ、彼は菊さんを見たことがあるはずだ。
彼を助けた時、私よりも先に。
私は彼の腕をグイグイ引っ張って、病室を出る。
どこか放心状態の彼に、顔の前で手を振った。
｢トントンさん？もう……、わざわざ謝らなくても｣
｢………Aさん、俺は｣
｢Aちゃん！面会時間終了のお知らせ。話せた？｣
｢あ、しんぺい神さん…｣
しんぺい神さんの言葉で遮られたが、彼は何を言おうとしていたのだろうか。
彼は、はっとしてなんでもないですと取り繕ったように笑ったが、一体何だったのだろう。
私は病室の扉を閉める間際、中にいる彼らに小さく手を振った。
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叶子(プロフ) - アキさん» そうおっしゃって頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！！頑張ります！！！ (2021年3月2日 19時) (
レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - この作品のknｼﾏさんが好きすぎて更新が本当に楽しみです！とっても面白いです、応援してしています！ (2021年3月1日 19時) (レス) id: 41a4293417 (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 方舟さん» いえ私は全く何の関係も知識もないド素人でございます(^^ は！看護学生の方でしたか・・！実際学ばれている方からすれば不自然な点が多々あると思います； なるほど！それは是非お聞きしたいですね。近々お迎えにあがりますのでどうかその際はよろしくお願い致します。 (2021年2月24日 1時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 叶子さん» のんびり、気ままに更新まちまこ (2021年2月23日 21時) (レス) id: bd92c2b39c (このIDを非表示/違反報告)
方舟(プロフ) - 続編前から読ませてもらっています。わざわざ薬の成分や、効き方を調べるだなんて…もしや本職だったりします？元（ここ重要）看護学生なのですが、時代相応かはさておき、あるある話等提供はできますので、必要があればお声がけ下さい。 (2021年2月23日 19時) (レス) id: 894a36e101 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年2月23日 16時
