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課は本職なのだが、仕事をまるでさせない様子だった。薬品庫も気軽に入れそうもないし、あの研究者たちの力量を見定めることすら難しい。
私を頼りに来てくれるのは非常に嬉しいのだが、薬も作れない以前作っていた薬品もない状態では何の力にもなれない。
困ったように苦笑いすると、急に頭の上にポンっと手を置かれた。
｢可愛ええなあ、子供みたいで｣
｢…………成人はしてますが｣
｢その上司にいじめられたら俺に言いな？このシャベルでしばいたるから｣
｢死ぬやんそれ｣
.
｢Aさん｣
振り向くと、ちっす、と無愛想な顔をして手を挙げている男がいた。
丁度お風呂上がりで、部屋に戻っている途中だったのだが、また見張りに来たのだろうか。
｢…また見張りです？｣
｢そうっす。昨日は随分熟睡してましたねえ｣
彼はニヤニヤと、意地の悪い笑みを浮かべていた。
確かに、絶対寝ない宣言をしておいて秒速で寝てしまったのを覚えている。
ぐ、と下唇を噛み、未だにニヤニヤと笑みを浮かべる彼を睨む。
｢そういえば、夕飯のとき目立ってましたね。どうしたんすか？傑作でしたけど。｣
｢………全員から聞かれる、それ｣
｢やってめっちゃ目立っとったもん。気になるわ流石に｣
｢今日配属された課の上司にぶたれた。それだけですよ｣
｢なにしたんすか一体…｣
彼と私の部屋まで繋がる廊下を歩きながら話す。
流石に手を出されるとは思っていなかったので、あの瞬間はとても油断していた。
明日からは一発殴られる覚悟で行かないと、と思うと一気に行きたくなくなってしまう。
はあ、と今日何度目か分からないため息をついた。
｢…ま、1日目っすから。コネシマさん、Aさんが落ち込んでるの見てめっちゃ喜んでましたよ｣
｢でしょうね。いつかあいつにも一発食らわしてやる……！｣
｢はっはっは、そんときはお手伝いしますよ。じゃ、おやすみなさい｣
私は彼の言葉に、ぺこりと頭を下げて扉を閉める。
色んな意味で今日も疲れたなあ、とベッドにダイブした。
今日も秒で寝るから安心してくれ、………。
そういえば彼の名前を知らないなあと寝転がりながら考えた。
｢ねえ、まだいる？｣
｢………なんすか？帰ろうと思ったんに｣
｢よければ名前教えてほしいなあと｣
｢…ショッピっす。もういいですか？｣
｢ショッピさん。おやすみなさい｣
2度目のおやすみなさいが聞こえて、今度はちゃんと布団を被って目を閉じた。
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叶子(プロフ) - アキさん» そうおっしゃって頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！！頑張ります！！！ (2021年3月2日 19時) (
レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - この作品のknｼﾏさんが好きすぎて更新が本当に楽しみです！とっても面白いです、応援してしています！ (2021年3月1日 19時) (レス) id: 41a4293417 (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 方舟さん» いえ私は全く何の関係も知識もないド素人でございます(^^ は！看護学生の方でしたか・・！実際学ばれている方からすれば不自然な点が多々あると思います； なるほど！それは是非お聞きしたいですね。近々お迎えにあがりますのでどうかその際はよろしくお願い致します。 (2021年2月24日 1時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 叶子さん» のんびり、気ままに更新まちまこ (2021年2月23日 21時) (レス) id: bd92c2b39c (このIDを非表示/違反報告)
方舟(プロフ) - 続編前から読ませてもらっています。わざわざ薬の成分や、効き方を調べるだなんて…もしや本職だったりします？元（ここ重要）看護学生なのですが、時代相応かはさておき、あるある話等提供はできますので、必要があればお声がけ下さい。 (2021年2月23日 19時) (レス) id: 894a36e101 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年2月23日 16時
