一生の温もりをきみへ。

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増田side



血の気のない顔をみて
どうしてこの金髪は
限界を知らないのだろうか
とため息をつく



大丈夫、大丈夫、
ってまわりも自分も
誤魔化して

本当は全然
大丈夫なんかじゃないのに。




でもね、

ちゃんと 助けて、って
言えたから
今日は上出来なほうなんだよね









家に着いて、
車を止めて
後ろでまるくなっていた手越を
そのままだっこすると
珍しく嫌がった




「っ、や、…おろして、」



「もうちょっとだから」




弱々しく抵抗してくるのを
おさえながら
やっとのことで家に入る




「ベッドいくよ？」



「ん、といれ、っ、」




言う通りにトイレの前で
おろしてあげると

ぺたんと床に座り込んで
嘔吐き出したから焦った




「ごめんごめん、
気持ち悪かったの？」




気づけなくてごめんね、
って何度も背中をさする






「っ、…おぇっ、 …げほ、」



苦しそうにおえおえ
言って泣くから

可哀想で


背中をさすることしか
できない自分に
嫌気がさした






「…はぁ、っ、けほ、」



「もうでない？」



「ん、…ぐずっ、」




口元を拭いて
頭を撫でると
今度は嫌がることなく
両手を伸ばして
だっこをせがんだ




俺だけにみせる
そのかわいい姿


秘密にするには勿体ないけど

誰にも言いたくなんかないんだ


今だけは、俺だけの
手越だから

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