色々詰め込んだ短編集！文スト

赤ずきん ページ47

赤「おばあちゃんの目はなんでそんなに大きいの？」

狼「…お前をよく見るためさ」

赤「じゃあ…おばあちゃんの口はどうしてそんなに大きいの？」

狼「それは…お前を食べるためさ！」

国木田の圧倒的声量に我に返ったポオが合わせて赤ずきんに襲いかかる。

赤「きゃぁぁ！」

ー赤ずきんが食べられそうになった時、ドアが蹴破られて悲鳴を聞きつけた猟師が入ってきました。

猟師「その悲鳴、もしかして怪我人かい！？」

目を爛々と輝かせ、銃ではなく愛用の鉈を持った与謝野の姿に狼だけでなく敦も震え上がった。
…もっと言うと探偵社の面々、梶井なども過去の消し去りたい思い出がフラッシュバックし、その他観客たちも得体の知れない恐怖を感じた。

猟師「おやおや、あんた、怪我をしているねぇ。治療してあげようか！」

狼「えっ、ちょっ、待っ!?」

目敏くカールの噛み跡を見つけ、ゆっくり狼に近づく猟師。観客たちは弱肉強食のなんたるかを悟った気がした。

猟師が鉈を振りかぶったその時。

床に落ちていたポオの推理小説が勝手にパタパタとめくられ始めた。

猟「おや、これは…」

小説が光ったかと思うと乱歩が姿を現した。

狼「！！…乱歩くん…もう出てきたのか！？」

祖母「今回の謎はなかなか捻ってあったね！まず犯人だけど…」

トリックををペラペラと話す乱…名探偵おばあちゃん。病気になっても推理力健在。ポオはガックリ膝をついた。

狼「そんな、今回の謎には自信があったのに…あんな短時間で…」

祖母「ま、僕は名探偵だからね！次のも期待しとくよ！」

ーこ、こうして無事おばあちゃんを助け出し。狼は深く反省。猟師と赤ずきんは謝る狼を許し、いつまでも幸せに暮らしました！！

強制的に劇が終わった。

…………………………………………………

その後…in舞台裏

敦「あの、主役誰でしたっけ…？」

谷「ははは…こればっかりはしょうがないね…敦くん1番真面目にやってたから」

太「これはこれでなかなか面白かったけどね」

国「…もうナレーションはやりたくない。」

敦「あ、国木田さんお疲れ様です！その、心中お察しします…」

太「心中！？…はっ！そうだ！今からポートマフィアの樋口さんに心中の誘いを…！」

国「やめろ！お前はそこで体育座りして待っとけ！あとしんじゅうじゃなくてしんちゅう！」


ポオ「そうだ！次の謎は劇場を舞台に…心中と見せかけた事件を…」

敦「ポオさん…すごく不憫だったけど、立ち直ってて良かった…」

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