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Story.19 ページ19

「んじゃ、パパっと結果発表」


全種目が終了し、パッとしないテンションで結果発表が始まった。

トータル最下位が除籍処分。
普通に考えて、多分緑谷とかいうやつが除籍されるだろうが……。


「トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する。____ちなみに除籍はウソな」


ブン、とモニターで結果を表示しながら後付けするかのように衝撃的な言葉を吐き出す相澤。



「……!?」


周りの奴らがアホ面を見せる。
目をパチリと開き、え!?とでも言いたげな表情で。


「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」


ぎこちないニッコリ顔で、相澤は言う。
「はー!!!?」と、叫ぶ生徒一同に、ため息をつく。


「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ…」


____多分、除籍宣告は本気だったと思う。

大人が嘘をついているかどうか、嫌ってぐらい見てきたから何となく分かるのだ。


「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」


くるり、と踵を返して相澤は戻ろうとする。
と思いきや、緑谷の方を向いて紙切れのようなものを差し出す。


リカバリーガール(ばあさん)のとこ行って治してもらえ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだ」


それだけ告げて、即座に職員室だろうか、そこへと戻っていった。


……ああ、俺の順位が知りたいと?
なるほどなるほど。とすれば教えてやろう。大して良くもないし悪くもない順位、3位だ。

これがもし制御装置(チョーカー)無しだったら圧倒的な差をつけて1位を取れていたのだろう。

もし、制御装置が無ければ信頼と引き換えに、圧倒的な強さを見せつけることが出来たのだろう。


さっきの爆発野郎だってそうだ。

本当の姿を見ていないから、あんなバカ騒ぎができて、きっとあいつも本来の俺の個性を見たら、暴走してしまったら……ああ、うん、こんなもしもを考えるのはやめよう。

仮に本当の俺を知られていないとしても。
あのバカ騒ぎは、少しだけ楽しいと思えていたような、そんな気がした。


行事が終われば、色々と思い出しては悩んでしまう癖、どうにか直したい。

そうして、波乱(?)の初日は幕を閉じた___。

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雑草 - 最高すぎる✨続き楽しみに待ってます! (2022年7月25日 6時) (レス) @page23 id: dc8ec99537 (このIDを非表示/違反報告)
ライア@liar_onlooker - 不良主最高。更新待ってます。 (2021年1月5日 22時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
- すごい面白かったです。更新楽しみにしています! (2020年3月2日 22時) (レス) id: 4d6625ae9c (このIDを非表示/違反報告)
ぶちゃ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2020年1月19日 19時) (レス) id: fb2695ac36 (このIDを非表示/違反報告)
セイラ - めっちゃ面白いです!!更新楽しみに待ってます! (2019年5月26日 12時) (レス) id: 9ff12b20b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コハク x他1人 | 作成日時:2018年7月22日 23時

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