騙される、愛 【夕闇】

はじめまして / 小柳 ページ6

* Koyanagi said *


乾燥する、喉も痛いし
こんな季節に風邪を引かない奴なんていんのかな

あ、落ちた


小柳「 あの、すいません 」


「 あ、え、あ、はい 」


小柳「 落としましたよ 」


俺は、彼女の掌に ” のど飴 ” を乗せた


「 え、落としましたっけ 」


小柳「 お姉さん、美人だからさ 」


「 へ？ 」


小柳「 また、会えたらいいなあってことです
　 そのときのための印象付けです 笑 」


彼女を見た瞬間に、確信した
一目惚れってこういうことを言うんだなって
俺、彼女に出会うために生きてたんだって

だから、ポケットに入ってた飴をひとつ
君の掌に乗せたんだ


「 ふふ 笑 」


小柳「 なんすか 笑 」


「 名前、教えて 」


小柳「 翔汰、小柳翔汰です、 」


「 翔汰くんね、また会えたらいいね 笑 」


小柳「 あ、お姉さんの名前は？ 」


「 A、ちゃんと覚えといてね 」


小柳「 っ、はい 」


「 じゃあ、お礼 」


そう言ってAさんは
俺の掌にチョコを乗せてくれた


「 印象付け、でしょ 笑 」


彼女と出会える確率
彼女が俺を好きになってくれる確率
彼女と付き合える確率

もう、いいや
なんでもいいから、頼む


小柳「 やっぱ、連絡先も聞きたいっす 」


これだけじゃ終わらせない
そう言えないから、連絡先を聞いてみた

掛かってくる確率は、狙わない
俺が掛けてやるんだから

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