【エース】姉のままでは ページ3
「……A」
何年ぶりだろう。
久しぶりにゴアを訪れた、血の繋がらない弟。
「迎えに来た」
記憶より大人びた顔と、随分と逞しくなった身体。
何だか、まともに直視できなくなっていた。
「A〜！！！」
「お姉さまと呼びなさい！！」
みなしごの私は、ダダンと暮らしていた。
そこで、エース、サボ、そしてルフィと知り合った。
エースやサボとはひとつ違いだけど、
それまで周りにいたのは歳上の山賊ばかり。
私は、お姉ちゃん面したくてたまらなかった。
何があっても三人の味方でいるんだ、と息巻いていた。
サボが死んだ、と聞いた時には、
「あﾞだしもっ……づよぐ、なﾞりだいっ！！！！！」
ぐちゃぐちゃの顔でダダンに教えを乞うた。
声を押し殺して泣く私に、あの時エースは何て言ったっけ。
あぁ、そうだ。
「おれは死なねェ。
ルフィも、Aのことも、ぜってぇ守ってやるから」
それを聞いて、余計に泣いたっけ。
胸の奥底に燻る思いに気付いてしまったから。
このままじゃ、姉ではいられないと思ったから。
「お、おかえり……エース」
「おう」
辛うじて絞り出した言葉は驚くほど小さくて。
混乱する頭を必死に回転させた。
とりあえず、家に上げよう。
さすがにお尋ね者の彼と立ち話はできない。
「入って、お茶くらい出すよ」
「いや、そんな時間はねェ」
思わず顔を上げると、エースと目が合う。
「え」
「言っただろ？迎えに来たって」
エースはにかっと笑う。
……あ、変わらない。
そう思った時には、エースは私の手を掴んで走り出していた。
「ダダンからお前を奪いに来た！！」
「はぁ！！？」
笑いながら走るエース。引き摺られるように走る私。
背中に刺さる、ダダンの怒号。
それよりもそれよりも、聞かなきゃならないことがある。
「え、エースッ！私、もうあんたのお姉ちゃんじゃいられないの！
私、エースのこと、ずっと……きゃあっ！！！！」
エースに腕をぐっと引かれて、私はバランスを崩す。
その隙に、エースは私を抱き上げた。
いわゆる、お姫様抱っこ。
「おれァ、ガキん時からお前のこと姉貴だと思ってねェよ。
ずっと、一人の女として見てる」
だから奪いに来たんだよ。
肩を抱く手の力が強くなる。
見上げると、心なしか赤いエースの頬。
……ごめんね、昔の私。
自分で決めたことも守れない私でごめん。
「私も好きっ！」
もう、姉のままではいられない。
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星波(プロフ) - お菊推しさん» 初めまして！閲覧ありがとうございます。申し訳ございませんが、リクエスト等は受け付けておりません。書きたいと思うことがあれば書きますし、それがなければ書かないと思います。申し訳ございません。 (2022年9月5日 23時) (
レス) id: 99055290f6 (このIDを非表示/違反報告)
お菊推し(プロフ) - あのすみません､お菊って出来ますか？あんまり夢小説で見たことがなくて聞いてみたのですが。大丈夫でしたでしょうか？ (2022年9月4日 9時) (レス) id: c04714e485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：烏丸 | 作成日時：2022年8月2日 23時
