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「そう言うの、ちょっと苦手で。」



そう言われて俺の手を優しく解くAちゃんから漂ってくる香りはどこか覚えがあって





元カノと同じ香水とか?




そんなことも考えたり。




けどなかなかあてはまらなくて、謎だけが残った。




大「せなぁ。彼氏でもないのにな。悪かったわ。」





そういって解かれた手をパーカーのポッケに突っ込んだ。




「大倉さんって、彼女いないんですか?」





大「おらへんよ。」




勿論いない。なんならしばらくおらへん。




「じゃあ、たまに部屋に招き入れてるあの女の人は?」



そう言いながら彼女は作業デスクの椅子に座って、タバコに火をつけた。




大「それはその、、。」




まぁ、そういう大人の付き合いというか。




そういうサービスというか。




お金が発生するビジネスというか。




どう言えばいいのかわからず、言葉を選んでいると





「、、、やっぱり。寂しがり屋なんじゃないですか。」




って言われてん。





大「寂しくなんかあらへんよ。」




実際ほんまに寂しさを感じたことはあらへん。





「じゃあ、なんでそういう人を作るんですか?」




急に部屋が冷たくなった気がした。

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作者名:逢碧 | 作成日時:2021年1月17日 16時

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