虎視眈々【 青/桃 】

6.青 ページ8

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「...え？」



後ろから、誰かに抱き締められる 。

視界にちらりと見えたのは、青 。

この空よりも、海よりも 。
今まで見たどの青よりも綺麗な、青 。



「...死んだら、ダメだよ 。」



特徴的で、少し高めな声 。

白くて細いけど、何処か男らしさのある腕 。

ふわりと香る、石鹸のような優しい香り 。


「....だ、れ？」


私は涙を溢した 。

震えながらその声の主の方へ振り向く 。



「...僕は、青柳ころん 。」



視界いっぱいに広がる青 。

良く整った甘い顔立ち 。

息を呑む程美しい空色の髪 。

今まで見たどの青よりも綺麗な、瞳 。



「...なん、で私を助けたの...」



青柳 ころん 。

聞いたことがある 。

明るくて面白くて可愛くて、男女ともに大人気の人 。

でも、そんな人がなんで、私を...？



「君を助けなくちゃって、思ったから」



それは至ってシンプルな返事で、

でも一番真っ直ぐで 。

私が、欲しかった言葉だった 。


ねぇ

そんなに優しく微笑まないで 。

私を離して、突き飛ばして 。

お願い 。

死にたくなくなってしまうから 。


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